第98話 しまづの懺悔室その2サイドB

ココは副社長室!

そこには副社長であり、社長代理でもあるよしひろがいます。

郭隗の馬の骨は呼ばれてここに来ました。


何とか助けてやるから、一緒に頑張ろう!

ああ、さすがしまづ一の部下にやさしいお方!この郭隗の馬の骨!一生ついていきます。!!!


まず、馬の骨は事情をあれこれ説明しました。

よしひろ 「まずは謝罪文だな!」

というわけで謝罪文を一緒に考えてくれました。


「白黒写真の写りが悪く、おでこが出ているのを見てついド〇ンパと表現してしまいました。もちろんこの時代の人々は皆似たようなおでこでしたので決してなりあきら様に他意はございません」


この後も郭隗の馬の骨はあらゆる表現を使い、自らの不明と今後の会社の為に粉骨砕身頑張ることを書き連ねました。


そして、その釈明文が完成すると、よしひろは自らの書いた嘆願書を添えて封をして、しまづの懺悔室に共に行くように優しく命じました。


さて、しまづの懺悔室に二人が入ると、ただよし様とたかひさ様が椅子に座っていました。

郭隗の馬の骨の謝罪の言葉を聞き、その後謝罪文を受け取ったたかひさ様は無言でただよし様に手紙を渡します。


その時、よしひろは父と祖父に向かって理性的な声で話します。

「もし、そしる言葉が来た時に、よく考えて受け止めよ!また法に違反する者があった場合もよくよく吟味するようにとはしまづの言葉です、この者も文にある通り邪悪な念によるものではなく、無知により筆を間違えたことは明白です、ゆえに今回は罰を減ずるわけにはまいりませんか?」


ただよし様はまずたかひさ様を見ます。

たかひさ様は頷きます。

次によしひろと馬の骨の方を見て言葉をかけます。


「今のしまづを仕切っているのはそなただ!だが、もののふたるもの!舐めたら殺されるくらいの覚悟をもって言葉を扱い、今後気をつけるように!」

こうして、一時は命の危険があった馬の骨は助かったのでした!!!


懺悔室、いや、相談役の部屋を出た後、馬の骨は何度も何度も頭を下げてよしひろに感謝をしました。

こうして、郭隗の馬の骨の招いた筆禍事件は無事解決しました。


※本作はあくまで架空の人物たちの活躍を描いていますが、もし史実の人物と混同した場合、大きなリスクを伴う場合があります。

前の話で書いた人の外見をあざけらないこと同様、現実の人物、歴史上の人物に対しても距離感が大事かもしれませんね。


※その2 島津義弘が部下にやさしいことについては逸話がいくつかあります。

その一方で手を出すのではなく諭すタイプだったようで息子の忠恒から見るとくどいという感想もあったそうです。


それと今回の話は舐められたらただではおかない薩摩隼人の気風の紹介と、同じく外見や出自といった点から差別をしないように日新公から教育されたこと、そして人を処罰する時には感情などではなく丁寧に扱うことを寓話風に紹介する、そんな話でした。




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