第41話 九州戦役編おおともとの戦い

前回までのあらすじ。

日ノ本でも最辺境の地、しまづの県でお菓子による勢力拡大を目指す株式会社しまづ!お菓子による群雄割拠が渦巻く中、中国地方の覇者、もうり連合の策士である専務こばやかわたかかげの策により、九州地域の雄であり老舗のおおともとの勝負をする羽目に陥ろうとしていました。


既に武闘派であるおおとも参加のたちばな商店がしまづと雌雄を賭けた決戦の準備をし、親会社のおおともの社員たちも乗り気でした。

しまづの方も社長のよしひさと一部を除き、会社全体が九州でのしまづの拡張にノリノリの大勢になっていました。


そして、宴会でのよしひさの演説によってもはや九州の大手であるおおともとのカードバトルは不可避な情勢になってしまったのです。


こちらはしまづの県より北に位置するおおとも傘下のたちばな商店。

そこには超やり手のカード使いが3人いました。

たちばなどうせつ、たかはししょううん、そしてどうせつとしょううんの息子むねしげです。


それぞれ役職は会長、副社長、社長ということで、会社の規模こそ小さいものの、カードゲームにおいての戦術とキラーカード、 (切り札)をそれぞれ所持していました。


会長のどうせつはおおともの会長で今は隠居状態の「そうりん」に常々意見していました。

「もうり連合のたかかげがこざかし気に九州に策を巡らしておる、面倒なことになる前にりゅうぞうじもしまづも倒し、もうりを九州から追い出すべきだ!」


当時、老舗のおおともを支配していたのは「そうりん」でしたが、彼は南蛮菓子の研究開発に夢中で、目先の会社の業績や近隣のライバルの様子は眼中にありませんでした。


「しまづやりゅうぞうじについてはたちばなにまかせる、カードバトルでもなんでも好きにするがよい!」

そうりんは興味なさそうにそう言い放つと南蛮菓子の研究開発室にそそくさと立ち去ってしまいました。


どうせつは不満たらたらで自分の会社に戻り、しょううんとむねしげにカードゲームによるバトルがいつでも出来るように指示すると、そのままふて寝してしまいました。








  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る