第98話

「おじさん。」

「言うな!」

「ちょいと汗を流して銭湯にでも行きましょうや。」

「葵君……。

 近くに、アドベンチャラー御用達の娯楽施設があるから、そこで汗を流しに行こう。」


アドベンチャラー御用達の娯楽施設とは何か気になるところだ。

戦闘力の高いアドベンチャラーの気分を晴らせるところだから相当爽快感にあふれているか、

自然な状態、とてもリラックスできるような環境になっているのか。

聞いた感じだと汗を流せるのだから、爽快感、スリルを求めた施設に思えた。


「……ずるい……。」

「なら、みずきも来るか?」

「……行く……。」

「夕飯後にそんな場所行くんだから帰りは泊りだね。」

「別にいいが、葵君は大丈夫か?」

「じゃあ連絡だけ入れておきます。

 お聞きしますがどこに泊まるんですか?」


ギリリリ


誰かの歯ぎしりのような音が聞こえた。


「群馬だから、東京よりも離れるカタチになるかね。」

「じゃあ電話しますので席を外します。」


トュルルルルルルル、

トュルルルルルルル、

トュルルルルルルル、

トュルルルルルルル、

トュルルルルルルル、

トュルルルルルルル、

トュルルルルルルル、

トュルルルルルルル、

トュルルルルルルル、

トュルルルルルルル、

お掛けになったお電話は電源がお切りになっているか電波の通じない場所にいます。


「あれ?」

10コール目で電話がかからず、疑問に思った。

ここは特に電波も通っているし、涼奈さんに電話を掛けたのだが彼女は今日はダンジョンに潜らないと言っていた。

映画でも見ているのかと思いながら電話を下ろそうとすると、


「お留守番サービスにお繋ぎいたしますか?」


涼奈さんの声がみずきちゃんの家の廊下に響いた。


「涼奈さんどうしてここに居るのかな?」

「居ても立っても居られず、来ちゃいました。」

「メアリーさんから話は聞いたの?」


もちろんと言った感じで彼女は俺の背中を押すようにリビングに追いやった。


「あらあら涼奈ちゃん来てたの。」

「はい、来ちゃいました。」


このおばちゃんが確信犯だと言わんばかりの用意周到性。

前々からみずきちゃんのお母さんは呼んでいたと思われた。

みずきちゃんのお父さんから聞かされた時にすぐに連絡を入れればこちらに迎える算段、明らかに人の修羅場を酒の肴か、お茶菓子と思っているに違いない。


「うふふふ。」


この笑う感じ、まさに悪魔だ。


「話は聞いてたよ。

 私と一緒の部屋で外泊しようね。」

「……私とも一緒の部屋……。」

「なら私は一緒のベットね。」

「あんまり喧嘩しないでくれると助かるんだけど。」


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スライム道

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