第65話 『漁港の肉子ちゃん』と渡辺歩監督
どーも。
くろねこ教授です。
今回のお題はアニメ映画『漁港の肉子ちゃん』。
さらに、渡辺歩監督に関しても少し。
渡辺歩監督ってどのくらい有名なのかしら。
知ってる人は知ってると思うんだけど……
くろねこ教授は既にアニメ誌を全く見ない人になってしまったので。
くろねこ教授は渡辺歩さん、結構推してる監督さんなのだ。
最近で言えば。
『サマータイムレンダ』の監督さん。
事前では話題になっていなかったと思うのだが、放映が続くウチに面白さで徐々に評判になって来たテレビアニメ。
元は『ドラえもん』の人である。
『ドラえもん』の動画、原画から平成『ドラえもん』キャラクターデザインへと抜擢。
演出にも携わる事になって、劇場版の併映短編から監督をやりだす。
『ドラえもん のび太の恐竜2006』ではついに長編映画でも監督を務める。
正に平成『ドラえもん』の旗手と言って良い。
一時期『ドラえもん』がプルプルと頬をふるわすシーンがやたら目だっていて。
おそらくその頃作画監督してた渡辺歩監督の仕業ではないか、と思うのだけど。
アクマでくろねこ教授の想像で、確証は無い。
2010年頃シンエイ動画を卒業して。
いきなり『謎の彼女X』の監督に。
『謎の彼女X』は大好きなのだ。
原作漫画も好きなのだが。
植芝理一先生の『ディスコミュニケーション』好きだしね。
かなり特異な作品を描いているマンガ家なのだが、『謎の彼女X』はより一般性を意識したフンイキ。
テレビアニメ『謎の彼女X』は良いと思う。
原作の特異性を取り込みつつ、思春期を真っ向から描いた。
この頃から監督の作品造りは一貫してる様に感じる。
アニメマニア、オタク寄せしていない。
誰が見ても良いように一般性を持たせつつ、作品を上質にする工夫もしている。
絵描きの方が監督になると、画面に変にコダワリが出たりするモノなのだ。
くろねこ教授が見る限り、むしろ省エネを感じさせる画面造り。
止め絵や使い回しを使える場面は使い手間を抑えながら、大事なシーンはキチンと動かす。
こーゆーのがチャンと出来てる人はエライと思う。
アニメ映画『海獣の子供』で文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を取っている。
STUDIO4℃制作
知る人ぞ知るアニメ会社
『マインド・ゲーム』『鉄コン筋クリート』映画『ベルセルク 黄金時代篇』等、クオリティが高く、高すぎて一般受けしない。
エッジの効いた作品造りで知られる。
『海獣の子供』は正に。
芸術品のような画面造り。
凄い。
凄い事は凄いんだけど、手間をかけ過ぎの様な気も。
一般受けしないのは明らか、だけど海外辺りで話題になっても良さそーなもんだがあまり話題にはならなかった。
監督:渡辺歩、作画監督:小西賢一、美術監督:木村真二、制作:STUDIO4℃の体制はそのまま『漁港の肉子ちゃん』に引き継がれる。
『漁港の肉子ちゃん』
ニクコちゃんは男にいつも騙され、最後に漁港に辿り着いた。娘のキクコはそれを呆れながら愛しく思いながら一緒に暮らしている。
焼肉屋のサッサンは親娘がお腹を壊さない事を条件に自分の漁船に住まわせる。
キクコは持ち前の運動神経で学校でも受け入れられていくのだが、少しクラスの女子達の人間関係が不穏になっていく。その中キクコは無愛想な少年、二宮が気が着かれない所で変顔をしているのを見て、彼の事が気になるのであった。
なかなか不思議なアニメ映画。
家族向けのような、もう少しエッジの効いてるような。
昭和な泣かせ話と、少女視点でクールに現代的人間関係をえぐってたりが交互に入り混じる。
ラブコメ的要素や、アニメっぽい仕掛けもある。
モチロン原作の西加奈子先生のテイストが大きい。
明石家さんまがプロデュースしていて、それで情報番組にも割と取り上げられた。
さんまの知名度は高すぎて、それだけで話題になってしまった。
そこを変に念頭においてしまうとな。
映画を素直に楽しめない気がするのだが。
明石家さんまさんがやろうと言わなかったら映画化にOK出なかったと思う。
そう、スタッフの方も言っていて。
さんま無しには企画が成り立たなかったであろうから、仕方の無いところでもある。
ところどころに『トトロ』のオマージュが有ったりして。
さんまさんが『トトロ』好きであるからなのか。
作画監督の小西賢一さんがジブリ出身である事が関係してるのか。
とりあえず、見ておいて良いアニメ映画だと思える。
こっちは割と海外でも話題になったらしく、賞もいくつか取っている。
なんとゆーのかな。
『トム・ソーヤ』が王道なんだけど、僕は『ハックルベリー・フィン』の方が好き。
とゆー少年は必ず、何時の時代もいて。
『赤毛のアン』は勿論好きだけど、『地下鉄のザジ』の方が心に残った。
とゆー少女だって必ずいると思う。
『漁港の肉子ちゃん』は『千と千尋の神隠し』にはなり得ないんだけど、それに対する『地下鉄のザジ』にはなり得るんじゃないか、みたいな。
『メアリと魔女の花』よりは良い映画じゃないかと思うけど、どうだろう。
あっ。
ゴメンなさい。
『メアリと魔女の花』をバカにする気は無いです。
失礼しました。
オマケで言うと。
実はくろねこ教授は明石家さんま大好きなのだ。
若い世代にはビッグネーム過ぎて響かない所もあると思うが。
テレビの常識を変えた。
芸人の立場を一つ上げたのは間違いない。
ドラマや、情報番組にも出つつ、お笑いの方が上なんや、とゆー価値観を貫き通した。
その姿勢がお笑い=カッコ悪いの図式を、お笑い=カッコ良いに変換したのだ。
北野たけしと『ひょうきん族』で共演しつつ、タモリの『笑っていいとも』にもレギュラー出演して。
「俺がひょうきん族で、さんまを立ててやってるのにだよ。あいついつの間にかライバルのタモリの番組に出てやんの。さんまはひっどいヤツだよ」
と、たけしがおおっぴらに公に発言したりするのも面白かった。
現在はさすがにビッグネームになり過ぎたし、年も取ってしまわれたのは否めない。
そんな訳で。
アニメ映画『漁港の肉子ちゃん』でした。
ではでは。
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