第27話 マンガ『リングにかけろ』
どーも。
くろねこ教授です。
『ゾンビと魔法少女と外宇宙邪神と変身ヒーローと弩級ハッカー、あと俺。』
も終わり。
『和泉と六郎の甘々な日々 ~実は和泉さんが一方的に六郎さんに甘えてるだけと言う説も有るけど和泉さんはそんな説にはそっぽを向いている~』
12月1日から投稿予定。
開いてしまう11月27、28、29、30日 エッセイ書こうかなと。
今回は車田正美先生と『リングにかけろ』など。
『女子中学生、異界を滅ぼす破壊魔女王となる』の中でチラっとパロディっぽい技名出してしまったコトですし。少し書きたいなと。
書名:リングにかけろ
作者:車田正美
概要:週間少年ジャンプで連載されたボクシング漫画。アル中の義父の元を逃げ出した姉弟がボクシングでチャンピオンを目指す昭和なスポ根ものとして始まった作品だが、途中からファンタスティックな展開を遂げる。
『リングにかけろ』もアニメ化されてるので見た方も多少はいらっしゃるかと。
『聖闘士星矢』の大ヒットを受けての深夜アニメ。それもマンガ中盤以降の世界大会編だけ切り取ったものでしたね。
という事で何度もメディア化してる『聖闘士星矢』の方が人気も知名度も高いのは分かっているのですが、今回は『リングにかけろ』に関して。
『リングにかけろ』も連載当時はメッチャ人気有ったんですよ。
連載最終回をジャンプ誌の巻頭カラー全ページ2色カラーしたのなんてこれ位です。
内容のぶっ飛びっぷりもかなりハジケてます。
主役の高嶺竜児くんですが、最初はなんとジャブとストレートしか知らない。
それでいて中学生の地区大会に出場し、いいとこまで行ってしまいます。
さらにはフックを覚えて全世界チャンピオンに、アッパーカットを覚えてプロの世界チャンピオンになると言う。まさに前代未聞のボクシングものと言っていいでしょう。
いや、中学まではリアル路線だったんですよ。
それがいつの間にか、必殺技連呼し大ゴマでポーズを決めるマンガに。
でもコレ震えが来るほど、恰好良いんだ。
ラストシーンで必殺技名と決め顔の主役。
スタイルとして確立された。
その後も色んなところでパロディ化された有名な車田ポーズ。
必殺技アリのボクシング漫画。
そこまでなら、まだフツーです。
『あしたのジョー』だって『カウンタークロス』使うじゃん。
このマンガが前人未到の域に達するのはやはり『影道一族』の登場から。
闇の中から奴らはやって来た!
カッコ良すぎるフレーズで現れる。
主人公竜児くんは中学生、日本大会で優勝し、アメリカからやって来た強豪との突然の試合にも勝利。
この後なんだか世界大会があるらしいぞ、と順調にステップアップ。
ところが、いきなり主役の姉、高嶺菊が拉致られます。
何者に?
日本ボクシング界の闇、影の拳闘集団、その名も『影道』【シャドウ】
なんじゃそりゃ、と読み手には突っ込む余裕など有りません。
竜児くんはお世話になってるジムのオッサンから武器を渡されます。
『カイザーナックル』、後に正体の明かされる不思議武器。
古代アトランティスの皇帝のみに所持が許された、謎の金属オリハルコンで出来ている。
過去に起きた戦争は、カイザーナックルを入手する為のモノだった。
アレキサンダー大王もナポレオンも、ヒットラーも求めたという伝説のシロモノ。
見た目は唯の鉄のナックルなんですけどね。
姉を求めて行った先は五重の塔。
一階ずつ番人を倒して回る。
100人の敵と戦ったり、ピラニアのいる水槽の上でバトル。
黄金の日本Jrと呼ばれる五人、過去のライバルたちが味方になって登場。
彼等も全員いつの間にやら必殺技を身に着けてた。
剣道道場の息子、志那虎。
剣の修行中の事故でその右腕はまともに動かない。
左腕と剣で身に付けた見切りの技術で戦う男。
一瞬で人間の急所五か所にパンチを繰り出す『スペシャル・ローリング・サンダー』
ピアニストの美少年、河合。
日本ピアニスト会の至宝とまで言われてるがボクシングが好きで止められない。
地を這うような低位置から一気に加速されるアッパー『ジェット・アッパー』
ケンカチャンピオン、香取石松。
小柄な体格だが、明るい性格と勝気なセリフのムードメイカー。
天高くジャンプして、体重の乗ったパンチを打ち込む『ハリケーンボルト』
財閥の御曹司で中学の時からのライバル、剣崎順。
性格の悪い金持ちキャラだったが、何時からかやたら渋みを増す。
『ギャラクティカマグナム』えーと、どういう理屈か良く分からんけど発電所の高圧電流の中で特訓したら身に付いたスゴイパンチだ。
最後にはラスボス・影道総帥は実は剣崎順の弟だったという展開。
長男の順が剣崎家を継ぐ為、双子の弟は『影道』に貰われて行ったとか。
いつの時代の話やねん。
みんな横文字の必殺技の中、総帥の必殺技『影道龍極破』がカッコいいぞ。
竜児くんは彼を倒すため、必殺技『ブーメランフック』が『ブーメランスクエアー』に進化。
さて、このマンガそのままファンタジー異能力バトルマンガになっていくかと言うとまたボクシング大会に話は戻ります。
ボクシングのジュニア世界大会。
その後、謎の不死の集団『阿修羅』と戦う。
戦国時代から『カイザーナックル』を手に入れる為、戦い続けて来た謎の一族。
竜児くん達は9つの門を突破しないといけないぞ。
その次はライバル剣崎がプロのボクサーへデビュー。
竜児くんも追ってプロ入り。
とまあ『リングにかけろ』とは、ボクシングやってファンタジーな敵と異能力バトルやってまたボクシングやる、不思議な文様を描くナゾマンガなのだ。
スゴイぜっ。
てゆーか、このエッセイ書く為ウィキペディアとかもチラ見してたのだが。
なんと『カイザーナックル』の設定wikiにも無視されてるじゃない。
これがホントの黒歴史ってヤツだな。
まあ他にもいろいろ凄くて。
世界大会では、日本Jrみんな死にます。
いや、ホントに死んだのか明確には書かれてないけど命を燃やし尽くすとか色々言って、さらば日本Jrとか異常に悲壮感漂わせて、死んだ風に盛り上げる。
高校生の大会で五人も死者出たら、大ニュースだよ。
そんな詰まらないツッコミは不要。
速攻生き返ります。
ギリシャから来た次の対戦相手、神の名を持つ十二人。
本当に日本Jrは死んだのか。
実はアポロンくんが『神の血』によって彼らを仮死状態にしていたらしいぞ。
そしてオルフェウスくんが竪琴を三ヶ月間引き続ける事で彼らを甦えらしたらしい。
オルフェウスくんは責任を問われます。
「キサマ、この責任はどうとるつもりだ」
「心配するな、すでに責任はとっている」
血を吐き倒れるオルフェウスくん。
彼は既にかげ腹を切っていたのだ。
一度腹を切り上から腹の皮を抑えギリギリ生きている状態。
その状態で彼は三ヶ月間も竪琴を引いていたのだっ!
もはや、どう突っ込んでいいのか、この世界において何が常識でどう言う価値観で成り立っているのか誰にも理解出来ない異次元ワールド。
もう何だか全然分かんないマンガとして終わるかと思いきや、ラストはキチンと纏まります。
このクライマックスがまたシビレる。
震える格好良さが爆発しまくり。
主役の竜児くんもついに中学卒業。
そこで彼は姉の高嶺菊から驚愕の事実を告げられます。
すでに母は亡くなっていた。
故郷の母・千代が危篤と言う知らせを竜児くんがボクシングに専念出来るように姉が教えなかったのだ。
竜児くんと菊は争い、菊はジムを出ます。
「俺は剣崎を追ってプロボクサーになる。
もう姉ちゃんの助けはいらない」
「いつまでたっても泣き虫竜児のままか。
お前なんかがプロのボクサーになれるものか」
「何だと、いくら姉ちゃんでも許さないぞ」
掴みかかる竜児に菊はパンチを放ちます。
竜児にボクシングの全てを教え込んだ姉の菊。
その菊がまだ弟に教えてない唯一のパンチ。
アッパーカット。
竜児が天高くぶっ飛ばされ川に流れていくのを見ながら菊は立ち去る。
イカスー。
今までとは違いまっせ。
こっからクライマックスでっせと宣言するような回。
そしてライバル剣崎順はプロ入りします。
特例!として世界チャンピオンジーザス・クライストとのタイトルマッチがデビュー試合!!。
やりすぎじゃねーの。
超展開はそれだけじゃ終わらない。
テレビ報道の前で彼は言い放つ。
「俺が結婚するのは高嶺菊だけだ」
高嶺菊に思いを寄せていたのは剣崎だけじゃない。
日本Jrの一員、ケンカ屋石松も。
石松は剣崎に決闘を挑む。
それも世界タイトルマッチへ向かう途中に。
こいつはケンカよ、女を取り合うケンカ。
石松の挑戦を受ける剣崎。
剣崎の付き人はたまらず言います。
「目前につかみかけてるチャンピオンベルトと、たかが一人の女とどっちが大事なんですかっ」
剣崎順は言い放つ。
「決まってる。ひとりの女よ」
破れた石松は竜児に言います。
「お前たちみてぇなのがいるんじゃ、一番星にゃなれねぇ……
俺はボクシングから足を洗うぜ……」
世界タイトルマッチに向かう剣崎。
その姿は傷だらけ。
「なんてヤツだ。タイトルマッチを妨害しにきやがって」
付き人は憤慨。
しかし。
その剣崎の身体、全身にケガのある体の中で。
腕だけは無傷。
「あいつはケンカ・チャンピオンだぞ。
あいつがその気なら、オレの拳をグシャグシャにできた……
だが、あいつは……
石松は……
一度もオレの拳は狙わなかった」
そして重傷の剣崎は世界チャンピオン、ジーザスクライストと試合開始。
必殺技『ネオバイブル』を喰らい、死んだのか。
倒れ動かない剣崎。
何故か竜児が『ブーメランテリオス』を剣崎に喰らわすと復活。
『ギャラクティカ・ファントム』
ジーザスクライストは甲子園球場のバックスクリーンまでぶっ飛ぶのであった。
チャンピオンになった剣崎は挑戦相手に、デビューの高嶺竜児を指名。
タイトルマッチの日。
協会にはウェディングドレス姿の高嶺菊が居た。
「どうしたんです。夫になる方はどこに?」
「戦っています。
リングの上でわたしの弟と」
そしてライバル同士の決戦。
見開きで必殺技が飛び交うぜっ。
あんだけトンデモ展開をバンバン繰り広げて。
最後にそれをも越える燃える展開と印象的なラスト。
すげーな。
これは誰にも真似できないでしょう。
とゆ―ことで。
今回はここまで。
次回も車田正美先生。
その必殺技に関して少し書いてみたいと思います。
ではでは。
くろねこ教授でした。
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