305話 俺が助けてやる

 エルカ迷宮5階層の探索を進めていたところ、ローズとティータが宝箱のトラップにかかってしまった。


「コウタ殿、助けてくださいまし!」


「……ううっ! 動けない……」


 宝箱に捕らえられたままの2人が助けを求める。

 このトラップの危険度は高くないが、拘束力は強い。

 今の彼女たちのジョブレベルでは、自力で脱出することはほぼ不可能だろう。


「心配するな。俺が助けてやるからな。くくく……」


 俺はゆっくりと近づく。


「……あっ。い、いけませんわ!」


「……ちょ、ちょっと、コウタちゃん。まさか……」


 ローズとティータが焦り始める。

 俺の不穏な雰囲気を感じ取ったようだ。

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