141話 リンから気功をもらう

 『気功術』の秘密の鍛錬を行っているところだ。

 お次はリンとユヅキの番である。


「あたいはもともと『気功術』が使えるぜ?」


「いや、それでもこの経験に意味はあるぞ。他人の気功を体内に受け止めることは、いい刺激になるはずだ」


「ふうん。わかった。やってみる」


 リンは俺の上から退いて隣に横たわる。


「さあて。最後は……」


 俺はユヅキの方を見る。

 彼女は少し顔が引きつっている。


「三人としたから満足したよね? 今日はお開きに……」


 彼女が後ずさる。


「待ってくれユヅキ」


 俺は彼女を呼び止める。


「次はもちろんユヅキの番だぞ」


 ユヅキ嫌そうな表情をしている。

 俺はそう言って、彼女に近づき、肩を掴む。


「これは『気功術』の取得に必要なことなんだぞ。シルヴィ、ミナ、リンはみんな通った道だ。このままだと、ユヅキだけ取り残されるかもなあ……」


 俺は意地悪くそう言う。


「ユヅキさんもやった方がいいと思うのです」


「そうだぜ! 思い切ってやってみな」


 ミナとリンがそう言って、ユヅキを後押しする。


「わたしは別に構わないですけどね。その分、ご主人様からわたしへのご寵愛が増えますし」


 シルヴィがそう言う。


「ぐぬぬ……」


 ユヅキがうなる。


「わかった。わかったよ……。僕もすればいいんでしょ?」


 ユヅキは観念したようにそう言った。

 ふふふ。

 彼女からの奉仕が楽しみなところだ。

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