第3話 理解できない状況



 雨がやまない。

 叩きつける様な雨を地上へ落としている雲はぶ厚くて、すぐに天候が変わりそうな気配はなかった。


 だから、仕方なしに寂れた研究所の中に入る。

 しかし建物の中に入った後、ありえない事になった。

 中に入ったら、出られなくなったのだ。


 ノトは困惑した。

 どう考えても破壊可能であるはずの窓ガラスが、何をやっても割れない。


 前代未聞の事態にノトはパニックになりそうだった。

 しかし、自分以外の面々の視線を気にして、ノトは平静なフリをする。


 ここで取り乱せば、隙を見せる事になる。

 そうなると、まぎれこんでいるかもしれない怪しい人間に、背中を狙われる事になるからだ。


 ノトは至って平静なフリを続けながら、出口を探してあるいた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る