-40- 「山田さん家のタマ」
お隣の山田さん家は、タマと言う猫を飼っている。
一度家の外へ出てると中々帰ってこない様で、山田のおばあさんは「うちのタマ知らない?」とよく探し回っている。
どうやらこの猫、家のドアや窓に鍵を掛けても開けられるようで、2階の窓を自分で開けて出て行く姿を時々見かける。
この猫、信じられない程器用で頭が良く、人間の言葉を理解しているとしか思えない振る舞いをする事が、時々ある。
僕の部屋から山田さん家の居間が見えるのだけれど、一人(?)でテレビを見ている姿はよく見かけるし、リモコンでチャンネルを変えている所も見た事がある。
おじいちゃんは「あの猫、わしが子どもの頃からあの家におるぞ。そろそろ尻尾が二本に増えるだろうよ」と言っていた。
回覧板を持って行った時に、タマの尻尾の先っぽが、二股に分かれている事に気がついた。
すると、山田さん家のおばあさんは「気付かないふりをしてあげてね。あの子、自分が普通の猫と違う事を、気にしてるみたいだから」と言った。
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