-36- 「臨時バス」
バス停で時刻表を見てみると、次のバスまで10分以上空いていたので、ベンチに座って文庫本を読みながら待つ事にした。
しばらく待つと、バスが来た。
バスに乗ろうと入り口のステップに片足をかけたところで、車内を見ると割と混んでいて、乗っているたくさんのお客さんが、一人残らず全員僕を睨んでいた。
首から下げていたお守りから蛇が顔を出し、しゃーっと威嚇した。
僕は思わず後退り、バスの外に出た。
「乗らないんですか?」
運転手さんの声がマイクから響き、僕は『乗りません』と首を振った。
その後もしばらく入り口は開いていたけれど、どれだけ待っても僕が乗らない事が分かると、やがてドアが閉まってバスは出発した。
バスが見えなくなるまで、お客さん達はずっと僕を睨んでいた。
僕が待っていたバスは、その後すぐに来た。
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