私の人生

るこ

第1話

家庭環境が良くないって分かっていたからあえてそれを良くしようとは思わなかった。寧ろ学校に通わせて貰えて習い事もさせてくれてたいたから実父には感謝さえしていた。いくら義母に嫌われて避けられても別に気にせずに過ごせばいい、そう思い込んで過ごしていた。実際は相当傷ついていたし家に居場所なんてないことはわかってたけどなんとかなると思っていた。大学になって家を出ていけばいい話なんだから。義母も私がそうすることを望んでいたと思う。

新型コロナウイルスの影響で高校が休校になった時、今まで居場所は学校にあったということをはじめて知った。気づいていたのかもしれないけれど知らない振りをし続けた。居たくもない家に居続けなければならない、今まで避け続けていたものに向き合わなければならない。地獄の環境でしかなかった。全く知らなかったものを知ることになる。それが義妹に反抗期が来ていた事だった。これが私にとってダメージだった。彼女は私に反抗してくる訳では無いが実父に当たることが多かった。小心者の私が義妹に注意することなんて出来る訳ないし、でも、愚痴を言われている実父のことを考えていると心が抉られる。辛い。逃げ出したいが故に死にたいと思うようにさえなった。でもこの気持ちを誰にも伝えることは出来ない。そんな時新型コロナウイルスに対する規制が徐々に緩くなって学校に行き始めるようになった。居場所が戻りつつあることは嬉しいが当時の私にとっては手遅れだった。死にたいという気持ちが勝ってしまっていた。というか日々死ぬことについて考えていた。いつ死のう。どこで死のう。どうやって死のう。遺書はどうしよう。そんなことばかり考えている日々を送っていた。家族にだけはこの気持ちをばらしたくなかった。学校には通っていたものの毎日保健室に登校して一日中保健室で過ごしていた。本当につまらない日々だった。単位をとるためだけに授業に出席することもあったがひたすら遺書の内容を考えていた。考え抜いた結果、飛び降りることに決めた。この方法は飛び降りる時に意識がなくなって痛くないらしい。死ぬ時くらい痛いとか苦しい思いをしたくなかった。死ぬことに抵抗はなかった。当たり前の話だ。今までの蓄積され続けた苦しみが全て解放されるから。そう考えると寧ろ楽しみだった。この頃からちょっとしたことに触発されてパニック状態になり気づいたらコードや縄で首を絞めることがあった。そんなことが日に日に頻度を増して起きるようになり気づいたら首に赤い線が出来ていた。

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