第4話 今更、”ごめんなさい!!許して!!謝るから許して!!私が悪かったわ!!”ですか? 今更もう遅いっ!! もう拷問が緩まる事すらないでしょう。

 はぁ、しかし私は馬鹿ですね。

後先考えずにやってしまいました。

トヘコケリン王国王妃メユアと殿下クストイ、第二聖女ヒミリィを殺してしまっては

大変な事になりますよ。

もう殺してしまったんですが。

今更、”ごめんなさい!!許して!!謝るから許して!!私が悪かったわ!!”ですか?

今更もう遅いっ!!

もう拷問が緩まる事すらないでしょう。

 号令、大勢の足音が聞こえます。

隣国の美男子王太子が助けに来てくれるかもしれません。

頭脳明晰なイケメン第二王子が私を助けてくれるかもしれません。

イケオジな叔父様が私を助けに現れるかもしれません。

誰か、誰か助けて。

。。。誰も助けに来てくれません。

やれやれ、仕方ないですね。

いくら私が努力を欠かしてこず人格も実力も優れた第一聖女とはいえ、

所詮は男爵令嬢。

お父様お母様はヒミリィを溺愛してきて私を蔑ろにしてきました。

お父様お母様は逆恨みで私を憎みサーティース男爵家さえも敵に回してしまうかもしれません。

そんな状況でトヘコケリン王国相手にかなうわけがありません。

無理無理無理無理無理ゲー。

お父様お母様が味方してくれてもトヘコケリン王国に敵うわけがありません。

ただの男爵家ですよサーティス男爵家は。

私個人の所有する戦力ではお父様お母様ヒミリィの家来、サーティース男爵家にさえ

敵いません。

主を殺されて大義名分を持った気でいるヒミリィの家来達が勢いで暴れればそれだけでも

勝てるか負けるか分からない勝負だというのに。

主を殺されたヒミリィの家来達は指揮系統、戦術、冷静さはなくぐちゃぐちゃでしょう。

しかし、自業自得とはいえ主を殺された家来達というのは馬鹿にできるものではありません。

大義名分を得た気分でいる家来達というのは何をするか。

大義名分はこちらにあるのですが。

悪いのはヒミリィなのです!!

ヒミリィが私を殺そうとしてきたのですから!!

あれ?ヒミリィは私の事を殺そうとしてきたでしょうか?

思い返すとヒミリィは私の事を殺そうとしてきたわけではないのではないでしょうか?

まぁ、そんな事どうでもいいですね。

きっとヒミリィは私の事を殺そうとしていたのです!!

断言します!!これは絶対です!!

ヒミリィ!!自業自得よ!!

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