第5話「いきなり女騎士!?」
さて、これからどうする?
扉の前の男を誘惑でもするか?
一応、男にも効果はあるかもしれないけど男の尻なんて掘りたくねぇぞ?
うぉぉ! どうしろっちゅうんじゃぁぁ!!
などと思い悩んでいると。
「馬鹿にするな!」
「しかし!」
何やら扉の外から声が聞こえてくる。
「だから、こやつは危険なんですってばぁ」
「危険だからなんだ。だからこそボクが中で見張る必要があるんじゃないか」
「いや、でも……」
「ボクじゃ相手にならないとでも?」
「それは……そうとまでは言いませんが」
「ボクに任せろ」
「しかしですね?」
「そんなにボクは信用ならないか?」
「そう言うわけでは……」
「ボクを信用してくれるなら、ここはもういい。休んでおいで」
「ですが……」
「そんなにボクじゃ頼りない?」
「う……ぐぐ」
「お願いだよ。ボクを男にしてくれ」
「そんなこと言われましても」
「たーのーむーよー」
「……ぐ、ぬぬ」
「お願い。ね?」
「く、わかりやした。でも何かあったら大声で呼んでくださいね」
「おいおい、そんなみっともないことできるかって」
何やら笑いあう二人。
片方が去っていく。
会話の声を聞く限り、一人は兵士。間違いなく男。おっさんだ。
けど、やってきたもう一人の方は女の子のような……いや、どうせ少年兵とかなんだろう。きっと。そうに決まってる。
「まったくお硬いんだから」
そういって入り込んできたのは、明らかにショタを通りこして男の娘としかいいようのない美少年だった。
短めに肩で切りそろえられた金の髪。
澄んだ海のように美しい青の瞳。
陶器のように白い肌。
桜の蕾のように鮮やかで可憐な唇。
その整った顔立ちは推定Aランクプラス。蓮水に勝るとも劣らない。
無骨な鎧がまったくもって似合っていない。兵士用にそろえられているのであろうクリーム色の上下もどこか場違いに感じる。
まるで美少女が兵士スタイルで男装しました、って感じの美しい、とても小柄な少年騎士だ。
この子だったら掘ってもいいかも。
いやいや、トチ狂うな俺。
初めては美少女と心に決めているのだ。
「なるほど、君が噂の危険人物か」
「危険人物?」
「うん、なんかよくわからないけど、凄い危険だから近づくなって言われたよ」
「はぁ」
「だから来た!」
腰に手を当て胸を張る謎の美少年騎士。
これでお胸様さえあれば完璧なんだけどね。
いや、それでも男を相手にする趣味は無いのだが。
「ボクはこれでも天才剣士として有名でね」
「はぁ」
「このファルサリス帝国騎士団でも最強と呼ばれる四天王の一人なんだよ!」
「はぁ」
「しかも最年少。わかるかい? ボクはそんな伝説級な最強天才剣士様なのだよ」
「はぁ」
「って、さっきからはぁはぁはぁはぁ反応が薄いね」
「はぁ」
「もういいよそれは! さぁ、君が危険だとされているその力、ボクに見せてみなよ! まぁ通用しないと思うけどね!!」
こいつ、もしかして力を誇示するためにここに来たのか?
俺のこと、全然わかっとらんのではなかろうか。
「俺の力について、なぜ幽閉されているのか、どこまで聞いてる?」
「ん? 知らないよ? なんか危険らしいって。口を酸っぱくして言われたよ」
「じゃあ何で来た」
「だって強そうじゃん? 倒したら自慢できそうじゃん?」
「そんだけ?」
「そんだけ。って何さ。名誉は大事なんだよ!? ボクなんてこんだけがんばって最年少で四天王になったっていうのになんかマスコット扱いで馬鹿にされてるみたいな感じだしさ!」
なんか威厳的な事で悩んでるっぽい。
そりゃあな。口調は少年っぽいけど、どうみてもボクっ娘が男装して背伸びしてるようにしか見えないもんな。
「あぁ、そういえば、特に『絶対女は近づくな』って言われたかも?」
「ほぅ、なんで?」
「知らない。長話される前に逃げたから」
ん? これはもしかしてワンチャンあるのでは……。
「一応、アルセスには下に降りてってもらったけど、うるさくして邪魔されたら困るよね」
少年騎士は何やら呪文のようなものを唱えると魔法らしきものを行使した。
「これでよし。これならどんだけ叩きのめそうと拷問しようと外に音は漏れない。覚悟するといいよ」
防音系の魔法を使ってくれたらしい。
それは都合が良いな。
「その魔法はどれくらい持つんだ?」
「三時間ってとこかな? それくらいは覚悟してもらうよ。ふっふっふー」
三時間か。充分すぎるな。
それじゃあ、シュレディンガーの息子様。拝見させてもらいましょうか。
俺は人化を解いて魅了の妖眼を使用した。
さっき魅力のステータスを見直して気付いたんだが、魅力がSランクを超えると同性さえも落とす事が可能になるらしい。
魅了の妖眼には異性と同性愛者のみとあったが、魅力Sランク以上の特性がどこまで適用されるか、試してみようじゃないか。
「う……な、なにその姿……く、ふぅ……っ、それに、なんだよぉ、その目はぁ……」
精神支配とか面白くないので催淫作用のみで遊んでみる。
最悪支配してなんか手伝ってもらえばいいからな。
そんな事より、こいつが本当に男かどうかが気になる。
ものすっごい気になる。
本当、見た目完全に男装した美少女だからな。
「そ、そんな目しても……手加減は……しないんだからねっ」
足を内股にもじもじさせながら顔を朱に染め、はぁはぁと息を激しくしていらっしゃる。
有効。
相手がどっちにせよ、効いてることは間違いないようだ。
しかし、最悪の場合、初めてが男の娘か。
いや、精神支配だけでも効かせれば手伝わせるとかだけで何とかなるかもしれないけどさ。
でも支配の方だけ
最悪、尻をガン掘りして隷属化させればいいか。
いや、それは嫌だ。
ぐぬぬ……男の娘だと思えばいけるか?
いやいやいや、はえてる奴を相手にするのはやっぱ嫌だ。
だけど……う~ん。
「な、なんだよぉ……」
戸惑うような瞳でこちらを睨む少年? の顎を手に取り。
「脱げ」
囁くように命じた。
催淫から支配に上書きする。
どうだ?
効くか?
「な……なに……を……」
その耳をなで、首筋に手をまわす。
そしてもう片方の手で頭をなで、そのまま壁際まで追い詰める。
「そ、そんな……ことっ、する訳……っ」
壁ドンの体勢で相手の目を見つめる。
支配の力を強化する。
「……っ、そん、な……っ」
抵抗強いなこいつ。
頭を撫でていた方の手を顎に添え、親指でその唇をなぞる。
「落ちろ。その方が楽になれるぞ」
首筋を舐めるような勢いで顔を近づけ耳元で囁く。
「~~~~ッ!?」
スルリ、と何かが通った感覚。
たぶん、支配が効いた。そうなんとなく確信した。
それにしても気持ち悪かった。
まるで女の子みたいな良い匂いがするとはいえ、見た目も女の子にしか見えないとはいえ、男かもしれない奴に何してんだ俺。
まるで呼吸するみたいになんか変な行動とってたけど、これはスキルによるものなのだろうか?
性的魅了Sランクとかいうスキルが勝手に作動して俺の体を支配していたとでもいうのか?
だとするならば、スキルシステムってそんな感じなのかもしれない。
俺が意図してやるまでもなく、最低限の最適な所作を体が勝手に自動化して行動するというか……。
慣れるまでは奇妙だろうけど、考えてみればこれはとても便利だ。
もしスキルポイントとかでスキルが手に入るのだとしたら、努力もせずにいきなり苦手なことでもできるようになるって訳だからな。
それはともかく。
「だ、誰が……そんな、こと……っ」
言葉では抵抗しながらも、顔を真っ赤に染めあげながら、こちらを睨みつつ服を脱ぎ始める小柄な騎士様。
ゆっくりと、まるで抵抗するように少しづつ、鎧から脱ぎ捨てていく。
服だけになっても、胸は平たいし、かといって腰は大きめだし、どっちだか確定しない。
これでもし男だったら……。
可愛らしい象さんなんて見たくねぇぞ。
だが、すでにストリップは始まっているのだ。
客として途中で逃げる訳にはいかない。
果たして出るのはパオーンか、それとも花びら大回転か。
騎士様が上半身の服を脱ぎ捨てた時、片方の可能性が跳ね上がった。
どうしたのかって? さらしを巻いていたのだ。
胸に巻かれた包帯のようなもの。
傷か?
それとも?
はらりと脱ぎ捨てられたさらしの中から出てきたのは小さな、だが男のものとはとても思えない大きさの桜色の突起だった。
そして何より、ほんのりふっくらと、まるで成長途中の少女のそれのように、ツンと尖るように膨らんでいたのだ。その胸部が。
セーフ!!
男の娘じゃない!
これ、男装系美少女だ!!
普段は馬鹿にされないように男としてでもふるまっているのか?
それでもモロバレだからマスコット扱い的な?
いや、だがどうして?
ならどうしてここに通された?
信用。
そうか、信用。
彼女は四天王。
その強さが信用されていたのだ。
だから、俺風情に遅れを取るはずも無いと判断されたのだろう。
それが命取りになるとも知らずに……。
やがて、シュルリとズボンが脱ぎ捨てられ、可愛らしい純白のドロワがあらわになる。
それも脱ぎ捨てられ、現れたのは……そう、俺が今まで、ろくに見ることも許されなかったアレだ。
小学生の時、母親と銭湯に行った際に見た同級生のアレ。
小学生を卒業した後も、スーパー銭湯や温泉に行った時に、稀に入ってきたクソガキ程度のものでしか見られなかったアレ!
パソコン越しに、ブラウザでしか見れなかった、生で見る機会など、ましてやこうしてマジマジと見る機会など、前世ではろくに無かったあの、アレ!
キャメルトゥ……!
そう、おスジ様である。
これは間違いない。
この騎士が性的マイノリティとかで、この世界に手術の文化とかがあるのかどうかしらんけど、整形したとかで無ければ……そう、それは間違いなく!
女性の、女性たる証、そう、まさしく、あの、アソコである!!
シュレディンガーの猫は生きていた! 生きていたのである!
無事猫の生存を確認した俺は、意を決して彼女の肩を抱く。
「ほ、ほぇ……?」
顔を真っ赤にしながら小首を傾げる少女を力強く抱き寄せると、俺はその唇を奪った。
時間は三時間一本勝負。
向こうが女とわかったのだ。
相手は術にはまって完全なる無防備状態。
音も漏れ聞こえることは無いないだろうから、きっと誰も邪魔は来ない。
なら、やる事は一つだろ!
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