第25話 ギュッてやるの

「夢見てない?」


「絶対そう。行って来るって言ってちゅってやるんだよね?」


「ちゅはやってないよ」


「ちゅはやってない。ギュってやんのか」


「ギュー…うん、ギュはやるかもしんない」


「ほうらぁ!」


「やるかもしんないけど」


「うん」


「そんな話しはしてないよ、しのに」


「でしょでしょ、酔っぱらってたから」


「酔っぱらってたけど言ってないよ」


「言ったよ、前言ったよ」


「全然記憶ないし」


「だから、記憶ないぐらいに普通にしゃべってたの。記憶にも残らないくらい普通にそうやってしゃべってたんだよ?」


「……ふふ(笑)おまえそうやってちょいちょいオレのことディスるよな」


「ははは(笑)」


「ちょいちょい上から目線でいくよな。オレにね」


「(笑)違うよ、ほんと言ったでしょ?でもそうやってやるでしょ?」


「やっ、やってないと思う」


「ねー、なんで私に嘘つかないでよ」


「嘘つかないよ、別に」


「うん。そうやってやるよって言ってたじゃん」


「や、全然覚えてない」


「でもやるでしょ?覚えてなかったとしてもやるでしょ?やるよね?」


「やってないって。ん?やっておりませんが。なぜそのようなお話になるんでしょうか?」


「だってそれはやるって言ったじゃん、それでギュってやるよって」


「やー、言ってないよ」


「可愛いねって言うんでしょ?」


「言わないよ(笑)」


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