詩を集めるでがす
満梛 平太郎
闇の帰還者
小さな世界しか知らない僕ですが、
これからのためにいまをどう使うべきなのか?
と、自分に問うてみた。
そうすると、「問う」というコトを考えられる思考があることに気付いた、でもダメだ結局僕は弱い人間だった、その更に奥にある無垢で怠惰な無意識によって克己心は負けてしまった。
負けた後、哀切な状況に飲み込まれて自信は崩壊し生活は堕落し生命を蔑ろにした。
信念ですら一瞬で消滅して、人間の尊厳など元来無いことに気付いた。
そして、終末の予感が生じる。
然し、心臓は止まらない。
ドクドクと熱い血を流して脈打ち全身全霊で諦めるなと訴えている、神も仏も誰も彼も一切僕を助けてはくれないのにもかかわらず。
夢は破れ、恋も破れ、
仕事にも恵まれず、
こんなにも厳しい現実世界に一体どんな幸せがあるっていうんだ、埒が明かない挑戦にほとほと疲れ果て涙すら出ない、こんな状況で僕は人生の喜びを何処に見出せばいいのだろうか、弱気は嫌いだけれど一切の強気が消えてしまい情熱は砂漠化してしまった。
然し、呼吸は止まらない。
まだ終末は来ないぞと僕を鼓舞する、当然の自然の様にこの世に満ちた生気を取り込めと絶えず促す。
すると精神を覆っていた悪しき粉塵は吹き流され底無しに見えた闇の中に燻った魂があることに気付いた、その魂へ僕が近付くと魂は燃焼して大きな灯火となり闇を照らした、そして内も外も無いトコロから希望がすっと湧いてきたんだ。
これってつまり本来ヒトに備わっているチカラだ、太陽の光、夜の暗闇、どちらも大事なモノだけれど、真っ暗闇は何も見えなくてつまらないから、僕は明るい方へ進むよ。
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