第24話
「コウ。
姿を見せてくれないか。
顔を…
顔を見ながら話したい。」
「お望みであれば。」
コウはふらつきながら出て来る。
「これは…
大丈夫か。
お姫様抱っこで運ぼうぞ。」
と話すと、
「御冗談を。」
と言いながらコウは力なく笑った。
肩に乗せて運ぶか…
チビではあるまいしな。
「肩に手を回せ。
良いから。」
と言うと、大人しくそのようにした。
玉座の間、ソファーにコウを横にする。
「無理をさせた。
そのままで良い。」
と話すと大人しく言う事を聞く。
ボコボコにしておくと言う事を聞くんだな…
と思った…
いけないな。
悪魔だ。
「さて…
私は、頼りない魔王か。
脅威、脅威と…
脅威って、チビがか。
あいつに私が負けるとでも?」
「赤子の魔力は封じやすい。
しかし…
あのお子の魔封じは難儀でした。
恐らく、魔封じも幻影も使える。
必ずや、あなた様の脅威に…」
「なるほど、
ハイブリッドか。
さすがだな。
将来が楽しみだ。
私は、これからも伴侶を持つつもりはない。
だが、魔王の座を狙うものは、これからもいるであろう。
チビは男だから、私が倒れた後、一緒に狙われるであろう。
血筋は根絶やしにだ。
あれが一緒に散るのは、どうしても我慢ならん。
あやつが戦った末、敗れるのは構わんが、
力なく倒れるのは…
我慢ならんのだ。
どうか…どうか魔力を戻してやって欲しい。」
静かに聞いておった…
「時に…
お前の姉の名は?」
「クツにございます。」
とコウが答える。
ふむ。
「チビ、チビ呼ぶのも可哀そうだな。
あやつは、クツナと名付けようぞ。
母の名にあやかろう。」
「クツナ様…
良い名でございますね。」
タカが涙をこぼした。
長かったな…
どうしたら良かったのだろうな…
遠く空を見た。
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