第2話中編
周りの同世代が、世界が違う人間に見えた
大半のヤツらが
羨ましいとも妬ましいとも思わなかった
本質の違いなんだろうな
別に得なんてないけど、歳の割に落ち着いてる接客が出来てるってそこそこ客はついた
シラフの状態じゃ明るくテンション上げれないだけなんだけど
多分美味いんだろうけど。育ちの悪いあたしにはあんましピンと来ないフレンチに連れて行ってもらって同伴
アフターは基本しない
もたない
色々と
ある日、いつものように仕事終わりに最近流行りだしてる効果の高い合法の錠剤を飲んでクラブへ1人向かった
切れ目のしんどさもないし、効果は高いしなかなかのものだ
気分よく踊って、テキーラを流し込んでると隣からショットグラスを持った2人組が声をかけてきた
瞳孔が開いてる
キメてる奴
おまけにダルい
シカトを決め込もうにもしつこい
テキーラ顔にかけてやろうかなって思った瞬間
「わりいはぐれて、え、知り合い?」
男が声をかけてきた
デジャブ
「いや、知らない」
「ごめん、連れなんだ、他所当たってくれっかな」
デジャブ
「もしかして、久しぶり、かな?」
そいつは首に不自然に痣があった1日だけ共にした男だった
変わらない爽やかな笑顔
あの頃と違って首にタトゥーが入っていた
「変わんないみたいだねぇ」
男は肩を竦めて笑った
「あんたはなんか変わったっぽいね」
影がない感じがした
アルコールやドラッグで誤魔化してるんじゃなく
人が変わったようだった
「あの日は助けられたよ」
「別に何もしてないよ、助けてくれたのあんただろ。変なの追っ払ってくれて」
「でも、きっかけで変われた」
笑うそいつは暖かくて眩しかった
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