第8話 その結論は

(ここは何処だ?)


泥棒が落とした携帯からインターネットの中…情報の世界へと入り込んだ潤楼を待っていたのはただ暗い世界、そして明る過ぎる世界の2つだった。


しかし、よく見ると、どうやらどちらも情報が流れている事が分かった。


それが分かったら次に行うのはもちろん家族に関する事を検索するという事。


(どうやって検索するんだ?)


口に出したり、空間をタップしたりと検索する方法を模索するが成果は得られない。


(どうしろってんだよ)


このくらい方にいるのが悪いのか思い、明る過ぎる方へと行ってみる。


(っ、なんだコレは情報が飛び交っているのか?)


様々な場所から場所への移動をする何かが沢山見える。この場所の事を考えるならばそれは情報の波と言う物だろうか?


そこでも検索をしようと試みるが成果は得られない。


(検索出来ないなんて事はないだろ、この情報群の中から見つけたい情報を手探りで探すのは無理がある)


考えながら手を動かしどうにか情報を集めれないかと試していると遂に検索する方法が分かった。


(成程な、誰かも携帯かパソコンを主として調べるしかないのか)


正解が分かると何故それが正解なのかも自ずと分かる。


図書館に1冊の本があるとしよう。その1冊の本は目的の物だ。その本を得ようと図書館の中に入り探すといずれ見つかるだろうが時間がかかる。ならその本の場所を知る為に司書か検索機能があるパソコンなどを探すだろう。しかし、本に囲まれた図書館の内部で探してもその2つは見つかる事はない。大抵その2つは入口や見やすい場所にある場所が多い。


これを現状に見立てると、1冊の本が欲しい情報。図書館の内部が今いる情報の世界。司書や検索機能のパソコンは情報を映し出す携帯などと言う事だ。


早速、泥棒の携帯から検索をしてみる。パスワード等は携帯に保存されている情報が有ったのでそれを使った。


(どういう事だ?数日が経ったのか?)


手始めに自分の名字である阿羅鷲と検索をすると、俺の事である死刑などの情報がまず1番上に出てきた。そして2番目には阿羅鷲家の幽霊と出てきた。関連動画も沢山あるようだ。泥棒3人の末路は自分自身で起こした事なので覚えはあるが、どうやらそれ以外にも死んでいる人間がいるようだ。


情報を整理すると、まず分かったこととしては自分が情報の世界に入り込んでから4日が経っている事だ。


そして、4日が経つ間に阿羅鷲家に来たマスコミなどが俺以外の何かによって死んでいる事。そしてその何かをどうにかしようと霊能力者が呼ばれている事が分かった。


泥棒が言っていた、妹の美華の強姦動画も発見した。後は阿羅鷲家をバカにしている者達も発見した。


驚く事に世界中で阿羅鷲家を笑っている人間が多い事にも気が付いた。その多くは不運や不幸を笑うものだった。


もちろん俺の家族を殺した者達に怒っている人もいた。


その現状をみたせいだろうか、世界で溢れている犯罪が目に入ったからだろうか?


人間に対しての怒りを根源に持っていた潤楼がその結論に辿り着くのはすぐだった。


その結論は


人間を殺してやる!


とやると言うものだった。


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