飛沫
分岐点について
それは駅前の交差点
あなたの細い背中を見たときの
車道の脇でスピード出して
風といっしょのざわめきの
きれいと思ったわたしとか
それはぱっつん前髪おさげがみ
カラカラ鳴ってるヘアゴムの
サイドミラーのなか飛沫弾けて
知らない誰かの囁きの
こわいと思ったわたしとか
信号待ちのわたしの手
あなたが握ってくれるから
そっと
わたしも握り返してみるんだけど
気づかれないように
どこかに行かないように
うまくできないから振り返る
分岐点について
それはどこにでもあるもの
ずっとあとになって気づくもの
あなただけを閉じ込めて
跡形もなく消えるもの
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