はないちもんめ
かってうれしいはないちもんめ
手のひらに滲んだ汗
焼けた砂利
横一列に並んだ影はまるで怪物
まけてうれしいはないちもんめ
よく見てないと足がもつれる
わたしだけ遅れてはいけない
正確に
前
後ろ
あの子が欲しい
あの子じゃわからん
相談しよう
そうしよう
ひそひそ
ひそひそ
わたしは笑う
あの子はどの子?
わたしじゃない誰か
わたしは最後まで呼ばれない
かくれんぼもそう
ドッジボールは最後の一人
わたしだって
〇〇ちゃんが欲しい、と呼ばれたかった
みーっけ、とタイヤの下から引っ張り出してほしかったし
多少痛いのは我慢するから
あのボールでわたしを狙ってほしかった
ほしかった
つないでいた手を離して向こう岸に向かう
スキップにも似た足取りで
みぃつけた
タイヤの下から見上げる空
目が痛むほど鮮烈な青
焼けた体操服の背中に弾む
いたぁいと大げさに笑いながら
土をはたく手の軽やかさ
だからわたしは待っている
待っている
土埃まう校庭で
わたしの名前を呼ぶ日まで
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