第110話

~大志side~


その夜の集会で、俺は今日仕入れた情報をメンバーにつたえた。



予想を超える展開にどよめく会場。



「恋愛は自由だと宣言していただけの赤旗に、チームを大きくするような力はない! バックに危ない奴らがついている可能性が高い!」



そう言うと、不安そうに眉をよせたり一段とやる気を出す連中の2つにわかれる。



どっちにしても、最終的には協力してもらうようになるんだけれどな。



「みんなには、危険な事に協力してもらうことになると思う! それでも、俺についてきてくれるか!?」



すると、一瞬会場内は静まり返り、それからメンバーたちは歓声をあげながら拳を突き上げた。



血の気のおおいやつらだ。



俺はその様子を見て、フッと笑った。


☆☆☆


それから集会を終えた俺は、力耶と強、それにカナタを呼びとめた。



「カナタ、明日の夕方頃赤旗に合わせてくれないか?」



「えっ……」



俺の申し出に目を丸くするカナタ。



「赤旗自身の居場所はわかってるんだろ?」



「それは……わかりますけど……」



そう言って、視線をそらすカナタ。



カナタにとって赤旗は恩人なのだろう。



だから、居場所をバラすのが嫌なのだ。



「別に、赤旗本人には何もしない。悪いのは赤旗じゃないんだからな」



「本当に……約束ですよ?」



「あぁ。俺は街を荒らす連中が許せないだけだ。最初はすべて赤旗の仕業だと思っていたが、違うなら手は出さない」



そう言うと、カナタはやっとホッとしたように「わかりました」と、頷いた。



「力耶と強も開けておいてくれ。一緒に行こう」



「「あぁ、もちろんだ」」



こうして、俺は明日の夕方赤旗本人と会う事になったのだった。

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