第120話 エピローグ ~『才能』と『運』~
この世は『才能』と『運』で全てが決まる。
それがわかりやすいのが冒険者という職業だ。
才能の無い者は弱者になる。
才能の有る者は強者になる。
運の無い者は死ぬ。
運の有る者は生き延びる。
才能があれば強くなる。運が無ければ死ぬ。
至極単純明快な世界だ。
でも、この世界にはたくさんの冒険者が存在している。
貴重な薬草の採取もあれば、モンスターと戦うこともある危険な仕事。
にもかかわらず、冒険者になる者は後を絶たなかった。
なぜ?
どうして危険とわかっているのにリスクを冒すの?
金が欲しいから?
名声が欲しいから?
女を侍らせたいから?
力を鼓舞したいから?
答えは全てだ。
だけど全て違うとも言える。
答えなんて有るようで無いのだ。
金が欲しい奴もいれば、名声が欲しい者もいる。
女を求める者がいるし、力を知らしめたい者もいる。
当たり前だろ?
だって人間って何人いると思ってるんだい。
70億人全員が同じ理由なわけないだろ?
おっと話がそれたね。
要するに人間が何かをするのに、他人と同じ理由はいらないってことさ。
金が欲しいから。
名声が欲しいから。
女を侍らせたいから。
力を鼓舞したいから。
これ以外でも理由なんて何でもいい。
やりたいと思ったから。それが理由だ。
ただ……現実ってのは残酷でね。
どんな理由で始めても、大層な夢を抱いても、それらをブッ壊してしまうような格上の奴が存在する。
自分の目指すものに、自分より遥か高みを行ってる奴。
――『天才』――
才能があって運もあった自分。
そんな時に現れる、自分よりも才能と運に恵まれた奴。
自分が限界という壁にぶつかったとき、いとも簡単にその壁を越えていく奴。
ソイツに会うと思うんだ。
モノが違うってね。
冒険者にもいるんだよ。
そんな度を超えた天才。
しかも、6人のSランクや魔王でも倒せないんだ。
そいつの冒険者のランクが凄い。
なんと、『Bランク』。
きっと世界でもSランクと魔王にに勝てるBランクは一人しかいないと思うよ?
こんな天才がいたんじゃ冒険者なんてやってらんない。って思うくらい強かったよ。
いやぁ、ホントに……
天才ってのは、凄いねぇ……
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