???
???視点
とある公園で二人の男の子が遊んでいる。前に見た兄弟のようだ。
二人からは全く違う気配がする。なのにふたりとも惹かれ合っている。これは相変わらず面白い。
また、小奴らの観察をしよう。
兄のほうが7歳、弟が4歳ぐらいか?少し育ったようだ。
弟のほうが兄を引き止め、言った。
これが不幸の引き金になるとも知らずに。
今伝えるべきか?いや、時が来るまで待つほうが面白い。
「おにいちゃん!えへへ、おにごっこしよう!」
「うん、いいぞ?じゃあ、この公園が範囲な!」
「わかった!ぼくがこんどこそつかまえる!」
「ほら、こっちだよ!」
「まて〜!!」
キャハハ!という、子供の可愛らしい声が公園に響く。
日が暮れて、空が赤くなってきた。しかし、二人を迎えに来るものはいない。
二人は時を忘れ、遊びに集中しているようだ。
しかし、兄のほうがいきなり、立ち止まって道路の方を見た。
道路には黒猫が倒れている。
「助けなきゃ!!」
兄の方は道路に飛び出し、黒猫を助けようとした。
しかし、黒猫を持つには、子供は加減がわからす、持ち上げると苦しすぎたのか猫が暴れた。
兄は、落ち着くように額を撫でてあげた。道路の上で。
弟は兄が、道路に出ているとわかって駆け出した。まったく、子供というのものは体力の限界を知らない。小3時間以上は走っているのに。
「にいちゃ~ん!!!」
弟の方は嬉しそうに手をブンブンと振りながら兄の方にかけていく。
兄の方も弟の方にきづいて、振り返そうと、手を上げた。
その次の瞬間、兄は吹き飛んだ。その変わりに兄がいた場所にはボンネットがグシャグシャになった車がいた。
数m先に体を血に染めた兄が横たわっている。黒猫も不幸なことに亡くなったようだ。
弟はその場面を見て、呆然としている。
「お・・・おにいちゃん・・・?おにいちゃん!!」
弟は兄に近寄り、兄の体を揺すった。そんなことをしても無駄だというのに・・・。あのスピードで突っ込まれたら、子供だ。普通に即死する。
それでも、弟はずっと兄に呼びかける。
「おきて!おきてよ!ぼくをおいていかないで!おにいちゃん!!!」
しかし、この中で一つ幸運なことがある。
兄の腕に抱かれていた黒猫はの尻尾の先が何かに引っかかったのか、二股になっていた。
あれはいい素材になる。
これだから、人間の観察は面白い。
「うわああああああああ!!!!」
大きな声を出して僕は起きた。心臓がまだドキドキしている。
まただ。またあの夢を見た。
『どうした』
レドラが翼をのけて、僕を覗き込んでくる。
そうだ。僕は今、レドラの翼と体の間で寝ているんだった。
「ゆめで・・・ぼくじゃない、ひとのきおくを、みさせられるんだ・・・」
『人の記憶を・・・?』
レドラは不思議そうに首を傾げる。
「そう。なんだか、そらから、ふたりの、きょうだいのことを、みているきおくを、みさせられるの。ぼくは、そのそらから、みているひとになるんだけど・・・」
『そうか、人の記憶というものを見れるとはな・・・』
「ごめん、うるさかったよね」
『大丈夫だ。ゆっくり眠れ』
そう言われた瞬間に、なぜか頭が重くなった。一気にまぶたが重くなって、目を開けられなくなる。
『安心して眠れ。そいつのことは怒っておく』
「おこる・・・?だれのこ・・・と・・?」
ああ、もうダメだ。意識が遠のいていく。
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