自称有能プログラマーのワイ、ブラック上司から無能認定されクビを宣告されるもノーダメージ。家に帰れば巨乳美少女JKが全肯定してくれます!!
白熱する女の髪型ショートロング戦争。ちなみに皆さんどっち派ですか?
白熱する女の髪型ショートロング戦争。ちなみに皆さんどっち派ですか?
「すみません、私のヘアゴム見かけませんでしたか?」
いつもはポニーテールにまとめている悠が、珍しく髪を下ろしていた。どこかでヘアゴムをなくしたらしく、洗面台やソファのあたりを熱心に探している。
「何色のやつだっけ?」
「黒です。装飾とかがついてない、お家用の……」
そういわれて、彼女がつけていたヘアゴムを思い出す。確か、ラメが入っただけの無難なものだったはずだ。外に出るときはリボンのついたおしゃれなヘアゴムをつけていくが、家ではくたびれてもいい安いやつを使っている。
「悠、こっち来て」
「はい…?」
ソファの下をはいつくばって探す彼女を呼んで目の前に立たせる。
肩にかかるかというほどにまで髪は伸びており、たった一か月程度だが、そろそろ切ってもいい頃合いなのかもしれない。
けれど、このまま伸ばす彼女も、きっと聖女のように美しく見えるのだろう。
「伸ばすと邪魔か?」
「……量さんもロングのほうが好きなんですか?」
じっとりとした目を向けられ思わず動揺する。
お前もあの父親と同類なのか。という風にもとれる物言いだ。
「ロングの悠もきれいだったなと思って。」
「ロング
宝石のような目に吸い込まれそうになっていると、突然悠は声を上げた。
「見つけました。ダイニングのテーブルの上。」
「おお、よかったな。」
櫛で毛先を整えながら髪を縛りなおす。雪のように白い首筋がのぞき、ヘアゴムを口にくわえる少女はとても神秘的で一つの絵画のようだった。
今にも消えてしまいそうな儚さにてをのばすと、それに気づいた悠が握り返してくる。
行き場のない俺の手を悠の両手が包み込み、彼女の温かさに飲み込まれる。ゆっくりと悠の手を引いて抱きしめた。存在を証明するように俺の頭をなで始めると、抵抗することもなく受け入れる。
「量さんは、ロングの私とショートの私、どっちが好きですか?」
「どっちも好きだよ。選べない。」
俺の率直な言葉に照れてはにかむ。一歩離れて自分の髪を触りながらうつむいた。真っ白だった彼女の耳は、リンゴのように赤く染まっている。
「ああ、でも、ボーイッシュな髪形の悠も見てみたいな。」
「ボーイッシュ……。ベリーショート的な奴ですか?」
彼女がいったん部屋に戻ると、ファッション雑誌を携えて戻ってくる。様々なモデルが冬物のコートやセーターを着て写っていて、冬服を紹介する雑誌のようだ。
「たとえば、この人みたいな?」
全体的に毛先を遊ばせており、耳やうなじがむき出しになっている。マフラーで口元まで隠してはいるが、そのおかげで女性らしからぬ短さというのは気にならない。
なるほど、確かにおしゃれだ。
「でも、目元がすっきりしてる人じゃないと、短いのは似合わないんですよ。」
「うーん。悠の場合だと、ここまで短くすると浮くよなぁ」
全体的におっとりとした顔立ちの悠は、ロングが一番似合うのだろう。見慣れているからというのもあるが…。仮に切ったとしても耳を出すのはあきらかにやりすぎだ。
髪のアレンジ的にも否ぐらいの長さがちょうどいいかもしれない。
「あ、じゃあ、編み込みとか見たいかも!!」
「量さん……!!私は着せ替え人形じゃありませんよ!?」
ほほを膨らませて非難する彼女は、楽しそうに髪を触っていた。
……to be continued
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