自称有能プログラマーのワイ、ブラック上司から無能認定されクビを宣告されるもノーダメージ。家に帰れば巨乳美少女JKが全肯定してくれます!!
ショート:夏に送られてきた冷や麦の処理が一番困る。あとはお正月のお餅
ショート:夏に送られてきた冷や麦の処理が一番困る。あとはお正月のお餅
「今日は、パスタを使った焼きそばです!!」
これで約一週間以上パスタが続いていた。毎日メニューを考える悠にも限界が来ているようで、レシピサイトに載っているちょっとイレギュラーなパスタ料理ばかりを調べていた。
もちろん、彼女の料理は全て美味しいし、様々な工夫が凝らされているため飽きがこない。ただ、いかんせん続きすぎていることがネックだ。
「わー旨そうだなー。」
「ええ、これが続いてる状況じゃなければ、もっと喜べたんですけどね。」
生でも食べられるという手軽さのためか、賞味期限が短めになっている。
さらにいえば、帝泉グループがいまさら送ってきたのは、ただ邪魔になったからという理由だけでなく、期日が近づいてきて処理に困ったから、娘に押し付けてしまおうとしたのだろう。
故人の悪口を言うのは忍びないが、悠の父が関わっているだけあって、倫理とかモラルのかけらもない企業だ。事実、業界トップを走っていたのも、非合理的な業界のタブーを無視し続けて躍進したからだ。そのせいで、俺の会社も散々迷惑被ってきた。
「帝泉は何考えてんだろうな?」
「……私達に接触してこないのも妙ですしね。」
社長の葬儀というのに、会社の人間は顔を出してこなかった。だからこそ、俺も知らなかったわけだが、そういった礼儀のかけらもないらしい。
いや、いくら何でも愚痴を言いすぎか。
「それより、明日は久しぶりにご飯ですよ。」
「おお、使い終わったのか?」
「それは……。」
歯切れの悪い顔をする悠に変だなと思いつつも口には出さない。なんだか、触れてはいけない空気を感じたからだ。
翌日、仕事から帰ってくると、テーブルにはチャーハンが並んでいた。
久しぶりに麺類ではないことに感動して席に着く。少し硬い表情を浮かべる悠が気にはなったが、あえて知らないふりをしてチャーハンを一口……。
「悠、これ……。」
「そうです、細かく刻んだパスタが入ってます。」
「結局これかい!!いや、美味いんだけどね。」
米の触感とは別に、具材に隠れて分かりにくいが、塩コショウで簡単に味付けされたパスタが細かく刻まれた状態で入っている。触感といい味といい、アクセントになっていて不味い訳ではない。
うん、本当に、マズくはないのだ。むしろ、普通にうまい。
「……本当に、パスタが続いてなければ、もう少し喜べたんだがな。」
「ごめんなさい…。」
目を伏せて謝るが、彼女が悪い訳ではない。
「いや、それにしても、悠のお父さんは、ずっとこれ食べてたんだろう?」
「だいたいそうですね。忙しい時期は、一袋丸々茹でるように言われて、それを平気で一か月食べてたりしてました。」
その時の悠は、自分の分は別で作っていたようだが、今は一緒になって背負っている。
俺自身、食に無頓着だという自覚はあった。昼食は栄養バーやコンビニのおにぎりで済ませることが常であるし、朝食を抜くことなんて言うのは良くあることだ。夕食だって、白鯨と一緒にゲームをやっていて、スナック菓子だけという不健康極まりないことをしていた。
「けど、さすがにここまでではなかったぞ。」
『胃に入れば同じだって、よく言ってましたからね。」
言い方は悪いが、病的なまでの合理主義に、思わずゾッとした。
……to be continued
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