家から追い出されました!?

ハル

私の家族

 私、相原郁美あいはらいくみは高校二年生の平凡な少女だ。175センチと少しだけ身長が高いことはあるが、成績も運動も平均となり、ミス・アベレージである。


 いじめにあうことも羨望を集めることもなく、かといって、放っておかれることもなく、友人と呼べる存在もそこそこいて、うまく集団に溶け込んでいる。


 私の家族構成も普通だ。会社員の父、専業主婦の母、そして、私の3人家族だ。今は父の両親が老人ホームに入ったことで、家の管理もかねて一戸建てに引っ越したものの、そこに引っ越す私が高校生になるまでは父の会社が借り上げていたアパートで暮らしていた。


 そんな傍から見たら世間で言う一般家庭の域に分類されるだろう。


 ただ、私たちの中で唯一問題なのは、私が両親にも両親の親類の誰にも似ていないことだろう。

 それって一番家族として問題じゃない?と突っ込むなかれ。私が一番そう思っている。


 自慢でも欲目でもないが、私の家族は外見が良い。父も母も叔父も叔母も従兄弟たち、それから祖父母もみんな容姿が整っていて、彼らの中にはモデルや俳優が溢れている。父も母もバイトはモデルをしていたぐらいだ。

 その中で唯一私だけ、身長があっても顔が良くなかった。いや、ブサイクではなく、ただ平凡な顔立ちをしていたのだ。目鼻立ちははっきりしている方だし顔は小さいが、顔が小さすぎてバランスが悪かったり鼻が低かったり、とりあえずモデルや俳優になれる人材ではなかった。

 その時も両親は別に何かを想うわけでもなかったようだけど。


 どうしてそんなに似てないかって、そんなの私が知りたいんだけど!!


 それは今でも解けない相原家の謎だったんだけど・・・。

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