36 バティン 様

1なろう

2ファンタジー

3弱き者が強き者へ至る

4素直な良い子だがどこか闇がある

5情景描写

6ホラー

7心理&情景

8【伝説の少女は平穏に暮らしたい】


【あらすじ引用】

忘れ去られていた伝説が息を吹き返した時、ある少女が生まれた。


 リーシェという名の少女は幼い頃に両親に捨てられて、拾われた先でも虐待を受けて育った。十年間の辛い生活の末に「平穏に暮らせる場所」を目指して川に身を投げてしまう。

そして、セルタという穏やかな町にたどり着く。

リーシェはその町で悠々自適なスローライフを送ることを決意するが、なかなか上手くいかなかった。

さらにリーシェの元にやってきたとある王子。王子はもう一人の伝説の存在で、二つに分かれた伝説を成立させるにはどちらかが死ななければならないことを告げらる。

少女と少年は殺し合うしか道がないのか?


次々と起こるトラブルと判明する色々な秘密。

リーシェを捨てた両親にもそうせざるを得なかった秘密があった。


なぜ両親は少女を捨てたのか?

少女は何者なのか?

少女は平穏に暮らすことが出来るのか?


伝説の少女が、右手に鍬左手に野菜を持って平和に暮らしたいと願う物語。


────レビュー全文


【簡単なあらすじ】

ジャンル:ローファンタジー(異世界転生)

14歳のある日、虐待に耐えられず川に身を投げた主人公。彼女はある町へとたどり着く。その町の人々は少女が今まで出逢った人々とは違いとても温かい人々だった。その町で暮らし始めたある日、王都から王子が調査にやって来る。そこから明かされていく彼女の出生の秘密とは?


【物語の始まりは】

主人公が川に身を投げた経緯から始まっていく。幼い頃に両親に捨てられた主人公は、ある女性に拾われたが虐待をされながら育った。14歳になったある暑い日。またしても理不尽に暴力を振るわれ、その上朝ご飯抜きで仕事をしろと言われてしまう。それまでは自分自身を騙しながら生きてきた主人公だったが、とうとう我慢も限界に。川に身を投げてしまうのだった。しかしそれは、死を望んだのではなく、平穏を望んだ結果のことであった。


【舞台や世界観、方向性】

家の説明にて、キッチンやリビングなどの用語が使われているので、近代的なイメージを持つが、電話などはなく情報は商人がなどから得る。

セルタへは、三か月に一度程度商人たちがやって来る。

九歳の時に王子が通信機器を発明。しかしながら王都以外では使えないらしい。魔法の使えない世界。


【主人公と登場人物について】

4歳ころに親に捨てられる?

14歳のある日、暴力を振るわれ肩を脱臼するなどした主人公は、川に身を投げる。しかしそれは死を望んだのではなく、平穏な生活をしたいと望んでのこと。目が覚めると、別な場所にいた彼女。そこで出逢った人々は、今まで少女が出逢ってきたような冷たい人々ではなかった。そこで人として玉された彼女は、認められその町で生きていくことを選ぶ。


【物語について】

川に身を投げた彼女は、その流れに身を任せる。この先に平穏があることを願いながら。そして不思議な夢を見るのであった。主人公はある少女に質問をされ、自分の生きる道を見つける。それは暴力に屈しない、強い意志となる。

次に目が覚めた時、見知らぬ場所にいた。

その町の診療所で、彼女はこの町で暮らすか旅に出るかの二択を与えられ、その町で生活することを選ぶ。すると一人では管理の大変そうな立派な家を貸し与えられることになった。何故そのような所を貸してくれたのかには、理由があったのである。新たな土地で生きて行こうと頑張る少女、果たしてこの先に待ち受けるものとは?


【良い点(箇条書き)】

・あらすじの”少女と少年は殺し合うしか道がないのか?”という部分から、途中から24時間命を狙われるような物騒な物語になるのだろうか? と想像していたが、穏やかで温かい日常が続いていく。

・少女が辿り着いたセルタという町は人柄の良い町民が多いのか、主人公だけでなく調査にやってきた王子や団員も癒していくのがよいなと感じた。

・話が進んでいくと、ミステリーな部分も増えていき、何があったのだろうか? と好奇心を誘う。

・少女も少年も共に影響し合って成長していく姿が良い。

・悲しい部分もあるが、それでも前向きに生きていく心優しい主人公が素敵である。


【備考(補足)】20話まで拝読。

【見どころ】

序章・正体解明編は、序章編としてはかなり長めではあるが、強弱、抑揚のある物語であり、少女の過去が明かされていく部分と、少年が変わっていく部分の二つに焦点があてられ、やがてそこに絆が産まれていく。

あらすじの”少女と少年は殺し合うしか道がないのか?”は、深く考えれば続く言葉として”他に道があるのではないか?”と返しができることに気づく。それが序章編であると感じた。三人寄れば文殊の知恵ということわざもあるように、少女だけではなし得ないことがこの物語にはたくさんあると思う。それほどまでに、生活に密着して描かれている。

新しい町で、一人で家を守る少女。虐待されていた頃には家事をはじめとした労働もさせられていた。その時のことは痛々しい記憶であり、幸せとは言えないだろう。しかしその時学んだことは、生活に役立てられている。人の手を借りずとも暮らしていけるのは、皮肉にもその体験があったからだとも言える。そして人に優しくできるのも、自分が辛い想いをしてきたから。小タイトル一覧を見ると、これから主人公がいろんな体験をしていくことが分かる。時には戦いに身を置かなければならないこともあるだろう。その時彼女はどんな選択をし、乗り越えてくのだろうか?

あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? お奨めです。

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