(四)-3

「ど、どういうことですか?」

「一五年前、日本の数カ所の中学校の現場に生徒として送り込んだの。そのとき私たちがAIにつけた名前が『二日市サム』『基山デニス』『春日エリー』だったのよ。特にこの筐体はあなたが卒業した第286中学校に送られたものなの」

 鳥栖博士はそう言うと、筐体の頭を撫でながら「当時この子の調整をしたのが、私なのよ」と補足した。

「ちなみに名前の由来は、ここで開発されたAIの名前から取られています。この筐体にはさっき博物館で展示されていたサム型男児AIの発展型を搭載していました。中身は別のコンピュータに移されています」


(続く)

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