(三)-3

 博物館はもともと体育館だった場所をそのまま再利用されていた。入口を入ると受付があった。受付といっても小学生が使うデスクと椅子があり、「受付」と書かれたプレートがデスクの上に置かれているだけだった。

 その受付には白衣を着た女性が二人、俺を待っていた。

「竹下ノボルさんですか」

 白衣を着た二人のうち、背が高く、後ろ髪が腰まであるメガネをかけた女性が言った。

 俺が肯定すると二人は声を合わせて「ようこそ、AI博物館へ」と歓迎してくれた。

 最初の女性は鳥栖エリカという研究室の研究員だった。もう一人、背の低いボブカットの女性は博士課程の大学院生の田代マアヤと名乗った。

 二人は、体育館の中のAIについてのパネル展示と、AIロボットの展示を紹介してくれた。


(続く)

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