第42話
年が明けた。
「ベティ、今日はお城で新年を祝うパーティーがありますよ」
「はい、お父様」
「コールマン子爵も参加するはずですよ。ベティ」
「そうですわね、お母様」
ベティはとっておきのドレスを身にまとい、首元にはクライドから貰ったトルマリンのペンダントを付けた。
「綺麗です、ベティ様」
「ありがとう、ロージー」
珍しくロージーが褒めてくれたので、ベティは少しはにかんで微笑んだ。
「さあ、準備は出来たかな?」
父親の言葉にベティは頷いた。
馬車に乗り、王宮に向かう。
他にも沢山の馬車が王宮に向かっていて道は混んでいた。
「少し、遅れてしまうかも知れないな」
「お父様、仕方ありませんわ」
ベティ達を乗せた馬車がやっと王宮のそばに着いた。
「ごきげんよう。フローレス様」
「まあ、今年もよろしくお願いします。コールマン子爵」
コールマン家とフローレス家の父親同士で世間話が始まった。
「それでは、また後で。クライド様、ベティを頼みます」
ベティの父親と母親は、コールマン子爵夫妻と一緒に王宮の中へと入っていった。
ベティは両親達に会釈をすると、クライドと腕を組んで歩き出した。
「クライド様、新しい年ですわね。新鮮な気持ちですわ」
「そうですか、ベティ様。今年も一緒に過ごせるのが楽しみです」
「そう言って頂けると、私も嬉しいですわ」
宮殿の広間からは音楽が流れていた。
クライドはベティをエスコートして、人混みの中へと入っていった。
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