第41話
☆☆☆
今日の学校の七不思議は古井戸の中から手が出てくる。
というものだった。
この学校の体育館裏には昔使われていた井戸があり、そこから青白い子供の手が出てくるという噂があるのだ。
学校が立つときに井戸も取り壊される予定だったが、工事現場の人たちが次々と自己や病気にかかったことで取りやめになったらしい。
よくある子供騙しな話だけれど、井戸は実在していた。
どうしてまだそこに井戸があるのかわからないが、それは格好の噂のネタになるものだった。
以前、音楽室のピアノの前に手だけを出現させたことがある。
今回はあれよりももっと怖くて、印象的なものが良かった。
「爪が剥がれた手とか怖いよね……」
1人、トイレの個室で写真を探す。
「あ、骸骨なんかもいいかも~!」
幽霊を出現させることはあったけれど、骨を出現させたことはない。
体が腐敗して、骨だけ残って出てきてしまったということにしても面白いかもしれない。
1人鼻歌気分で写真を選んでいたとき、ふとこの七不思議で6つめだと気がついた。
1つめがトイレの女の子。
2つめがピアノをひく手。
3つめが13階段。
4つめがプールの男の子。
5つめが桜の木の下にある死体・
そして今度は6つめ。
井戸から伸びる手だ。
「普通、七不思議を全部経験すると死ぬっていうよね……」
呟いた瞬間背筋がゾクリと寒くなった。
七不思議を全部経験した子はあの世へと引きずりこまれてしまい、8つめの不思議になってしまうのだ。
「ま、そんなことありえないけどね。だって全部あたしが作ってる偽物なんだから」
気を取り直して呟く。
そして、骸骨の写真をアプリにアップロードしたのだった。
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