*第57話 春一番
季節の変わり目にはそれに
気温の変化による気圧配置の変動が大きな要因である。
西高東低の冬型が弱まり低気圧の進路が
南側から北側に替わる春先には強い南風が吹く。
時には竜巻が発生する事もあるこの風の
最初の
***
元気ですかぁ~~~!!!
元気!元気!元気があれば!
何でも出来る訳では御座いませんわよ!
殿下っ!!!
学生生活も2年目を迎えましたわ。
新入生の中にはナコルキン王子妃の
ビリジアンヌ妃殿下も居られますのよ。
披露宴では急にお倒れになられて驚きましたわ。
それよりも殿下ですわっ!
我が家にクラスの皆様と新入生の方々をお招きして
「みんなで海賊ごっこをしよう!」
もう12歳でしてよ、そんな幼稚な遊びを---
「まぁ!楽しそうですわねっ!」
こ、こらチャーミィ!乗せては駄目よ!
このままでは体力が
殿下の興味を海賊から
「か、海賊よりも忍者の方が素敵でしてよ!」
あ・・・
「忍者って何?エルサーシア!」
痛恨のミスですわぁ~
どうやって誤魔化しましょう・・・
「忍者と言うのは正義の為に戦う隠密剣士の事です。」
裏切りましたわねルルナっ!
「わぁ~!それ恰好良いねっ!忍者ごっこをしよう!」
体力の枯渇が決定致しましたわぁ~~~
御庭衆にも協力して頂きましたの。
本物みたいなものですものね!
非番のカルアンも呼び出しましたわ。
こうなったら私も本気を出しますわっ!
ルルナに忍者
忍者と言えば仮面ですわっ!
「貴方は赤の仮面ですわよカルアン、
殿下は青ですわ、私は白を付けますわ。」
そしてそれぞれのセリフを
さぁ!忍者ごっこの始まりですわ!
「『アカハヂ サンジョウ!』」
「『アホガキ サンジョウ!』」
「『シルカケ サンジョウ!』」
御庭衆の演じるキンメダイ教の悪党から
逃げ回る生徒たちを守る戦いが繰り広げられましたの。
案の定、途中から設定無視の大混乱になりましたわ・・・
ラミア皇女殿下とモーリス様が手をお繋ぎになられていますわ!
ラブラブですわね~
ビリジアンヌ妃殿下とお友達の
キャンディス・ランスミンキ伯爵公女様も
桃色のくノ一姿でお可愛らしいですわ~
百合ですわ~~~
あら?チャーミィが一人でオロオロしていますわねぇ?
さっきまで殿下と一緒でしたのに・・・
「スキありっ!
「うぎゃあぁぁぁ~~~!」
挿絵:https://kakuyomu.jp/users/ogin0011/news/16817330660416109646
殿下に“七年殺し”をカマされましたわっ!
淑女になんという事をっ!
少しでも前にズレていたら破ける所でしたわっ!!
王族でも容赦致しませんわよっ!!!
真空飛び
私とルルナと何故かカルアンも加わって袋叩きにしましたの。
「私だってした事ないのにっ!」
カルアンが泣きながら
それから大きな凧に縛り付けて吊るし上げて差し上げましたのよ!
天高く反省して頂きたいですわ!
たたた大変ですわ!
急に強い風が吹いてロープが切れてしまいましたの。
春一番ですわねっ!
それどころではありませんわ。
「ガンモちゃんお願いね。」
「コケッ!」
十二支精霊のトリのガンモちゃんに
殿下を連れて戻る様にお願い致しました。
ずんぐりした体形に小さな羽でも驚くほどの高速で飛べますのね。
皆様の体力が枯渇しました・・・
晩餐が終わる頃には限界でしたわね。
それぞれの御付きの方に担がれて帰られましたわ。
私もへとへとですわ・・・
カルアンに私を御姫様抱っこをする栄誉を
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