リエラのライバル?アンナ
焼きそばをユース商会で販売することが決また。その後は話が弾ずみ様々な話をする中でアルスとリエラによる服屋の話になった。
「服屋をショッピングモールに出店しようかと思っているんです。」
「へぇ、服屋ですか。いい所に目を付けましたね。」
シリルはアルスの事業に興味を示した。
「実は、アンナも独自の服ブランドを持っているんです。」
「「えっ!」」
これにはアルスだけでなくリエラも驚いた。それと同時にシリルが興味を示した理由も分かった。
「凄いですね、独自ブランドを持ってるなんて。ちなみになんていうお店なんですか?」
アルスはアンナに尋ねた。
「ショッピングモールとか水路整備とか私より凄いことをしているアルス様に褒められるなんて光栄です。私がやっているお店は王都に本店を置いている"ユーナ"ってお店です。」
「えっーーーーーーー!!」
突然隣に座るリエラが大声を出して立ち上がる。
「ユーナってあのユーナですか!?」
「はい。」
リエラは興奮しているが、アンナは落ち着いている。
「リエラ知ってるの?」
「知ってるも何も私がいつも行く服屋ですよ!とても可愛くてオシャレなお店なんです!」
アルスが聞くとどうやらリエラの行きつけの服屋のようだ。
服屋"ユーナ" 聞いたことがなかった。アルスは隣にいるサイルに聞いたがサイルも知らないようだ。
リエラはアルスとサイルの様子を見て服屋'"ユーナ"を説明してくれた。
服屋"ユーナ"
貴族などの富裕層の女性から支持されている3年前に王都にできた服屋だ。可愛くてオシャレなことからお店ができて半年ほどで王都一の服屋になった。
「3年前にできたということは5歳の時にお店を開いたんですか?」
アルスが尋ねた。
「はい。その通りです。」
アンナは淡々と答える。
すると、シリルが口を開いた。
「アルス様、アンナは店を開いただけじゃないんです。」
「と、言いますと?」
「アンナは服のデザインも自ら行なっているんです。」
「えっーーーーーーー!!」
また、リエラが大声を上げる。
自分がユーナで買っていた服のデザインをまさかアンナが行っているなど思ってもいなかったからだ。
「す、すごいです。」
リエラは圧倒されて少し落ち込んでいる。
でもなぜアンナはお店を開いたのだろうか。アルスは尋ねた。
「なぜアンナさんは服屋を開こうと思ったんですか?」
「...」
アンナは答えようとしない。
そして答えないアンナは何故か次第に顔を赤くなっている。
このアンナの様子を見て代わりにシリルが口を開いた。
「アルス様。実はアルス様が原因なのです。」
「えっ、僕が!?」
アルスが原因と言われとても戸惑った。
「はい。この話は少し娘自慢にもなってしまうのですが、アンナはとても頭が良く自慢の娘なんです。5歳の時には読み書きや計算を完璧にこなせるようにまでなっていたんです。ですが、」
ここからがアンナが店を開くことになる重要な話だった。
「2歳の子供が水不足をわずか2日で解決したという話がマリアナ王国中に広がったんです。アンナはこの話を聞いて、自分より歳下の子がこんなに大きな問題を解決したことにかなり刺激を受けたらしく、自分でも何か大きなことが出来るのではないかと思い色々と挑戦し出したんです。」
どうやら水路整備の話がアンナに火をつけたらしい。
「アンナはオシャレが好きで、色々と挑戦する中で服屋をやるって決めたみたいです。つまりアルス様はアンナにとって憧れ的な存在なんです。」
アルスは、憧れと言われて恥ずかしさを感じたが、自分に憧れて挑戦する人がいることに誇らしさも感じた。
シリルの話が終わるとアンナがやっと口を開いてくれた。まだ顔は赤い。
「アルス様!わ、私今日アルス様に会えて本当に嬉しいです。」
(まるでファンだな。)
とアルスは思った。
「アルス様、服屋をやるという話ですが、ぜひお手伝いさせていただけないでしょうか!?」
アンナはそう言うとアルスの手をとる。
「えっ!」
アンナの突然の協力宣言にアルスも思わず声を上げた。
しかし、ここで待ったの声がかかる。
「ちょっと待って!」
声をあげたのはリエラだ。
顔は少し不機嫌そうだ。
「私たちの店"アルス・リエラ"はアルスと、私の2人で作り上げるの!あと、その手離しなさい!!!」
リエラは介入されることに不快感を示した。一方、アンナが手をとったことには女としての感情が出ている。つまり嫉妬だ。
だが、アンナも引かない。
「では、違う分野で共同事業をしましょう!アルス様!!」
「だから手を離しなさいよ!!」
こんな会話がこの後1時間ほど続いた。
リエラとアンナはいいライバルになるかも!?と思うアルスであった。
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