領都バン
アルスは今馬車に乗っている。
向かう先はノスタ公爵領の領都バンだ。
ロフやリエラとの会議を重ね、1ヶ月ほど経っていた。
この間、アルスは活動拠点をサーナス侯爵領から王都サルサに移した。アルスの活動を見たサノスが王都に移るように勧めたからだ。
今日はロフとリエラとともに1週間後の建設開始に合わせてバンへ向かっている。
バンへは2日で着く。既に馬車からバンの街が見えていた。
「立派な街ですね。」
「そうだろう。王都に次ぐ街だからね。」
ロフは誇らしそうに言った。
検問所を通り、バンの街に入った。
人口約40万人で観光都市と言うだけあってメインストリートには多くの人が行き交う。
今回ショッピングモールを建設するのはサーマル湖に面した土地だ。周辺にはホテルなどの宿泊施設が多く、ホテルの集客も同時に見込める場所だ。
「アルスくん、ここに目をつけるとはさすがだよ。」
「えぇ本当にすごいです!」
ロフとリエラは感心している。
アルスも実際に現地を訪れて、ここにショッピングモールができると考えるととてもワクワクした。
会議で話し合ったショッピングモールの概要を説明しておく。
コンセプトは"1日中楽しめる"だ。
建物は2階建てでサーマル湖に沿う形状で約100店舗の専門店が入居できる。建材には石材を主に用いて、所々木材も用いる。サーマル湖の景観を崩さないようにし、ショッピングモールからサーマル湖の景色を楽しめるような造りにした。また、フードコートも整備し10店舗が入居できるようにした。
入居料金は月に金貨5枚と低く設定し、入居しやすくした。既に募集をかけており、募集数を超えている状態だ。
最後に、建設は1週間後に始まり、1年後のオープンを目指す。。
「既に服屋の名称とショッピングモールは僕の方で商業登録はしておきました。」
「アルスくんはもしかして、商業神の加護を持っているのかい?」
「はい、持っています。」
「まぁ、アルスくんなら持っていても不思議ではないか。そうだ、良ければだが君のステータスボードを見せてくれないか?無理にとは言わないが…」
ロフはアルスのステータスが気になるらしいらしい。しかし、アルスはサノスにあまり他人に見せないように言われていた。悪用する人もこの世界にはいるからだ。
だが、ロフとリエラは悪用する人とは思えない。ここまで個人として仲良くさせてもらっているし、家同士の仲もとても良好だからだ。
「わかりました、お見せします。ですが他人に話さないでくださいね!」
「わかっているよ。安心してくれ。」
「私も他人には絶対話しません!」
ロフとリエラが他言しないと明言してくれたことからアルスは久しぶりにステータスボードを開く。
「ステータスボード!」
魔法を唱えるとステータスボードが現れる。
【基礎情報】
アルス・フォン・サーナス 5歳
サーナス侯爵家長男
体力 1200/1200
魔力量 400/400
【加護】
魔法神の加護 生命神の加護
剣神の加護 武神の加護
農業神の加護 商業神の加護
大地神の加護 技術神の加護
【スキル】
身体強化・・・体を一定時間強化することができる。成長とともに強化時間が伸びる。
自然治癒・・・病気、怪我、ストレス、疲れ等を治療・軽減できる。
アイテムボックス・・・異空間にアイテムを収納する事が出来る。
※検索・・・地球の知識を検索できる。魔力を使用し、情報量によって必要な量が変わる。またアルス以外にはこのスキルは見えない。
久しぶりに見ると体力と魔力量が上がっていた。アルスは日々訓練をしているし、商業登録の魔法を使ったりしたことから上がっているようだ。
少しずつ成長しているなとアルスは感じた。
それに対してロフとリエラは愕然としていた。
「アルスくん、これはさすがに他言できるようなことではないね。うん、安心してくれ。」
「アルスって本当に何者なの!?」
ロフとリエラもそれぞれの反応を示す。
「まぁ、衝撃的な事もあったが、無事建設も始められそうだ。今日はもう帰ろう。」
ロフがそう言うとアルスたちは領主邸へと向かうのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。