公園の木が見える場所 (短文詩作)
春嵐
公園の木が見える場所
部屋の窓。外を眺める。公園のほう。彼はまだ来てない。
いつも、ここで彼を待つ。彼が来ると、しばらく彼を観察してる。彼はわたしに気付いていない。公園の、木が見える。あの近くのベンチに彼は腰を下ろして。何か飲み物を飲んでいる。そして、連絡が来る。今向かってますとか、仕事が遅れてます、とか。
目の前にいるじゃんね。なんでこの連絡必要なのかな。見てるよあなたのこと。でも黙って、窓から彼を眺める。魂が抜けたみたいにぼうっとしている彼も、それはそれで好きだった。
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