16話 王都観光
それから僕はガルシュさんに王都のおすすめスポットやお店を教えてくれた。
「こんなところだな。この後、国王様に報告を済ませないといけないからな。これで解散だな」
「ガルシュさん 色々と教えていただきありがとうございました」
「気にするな 俺が好きでした事だ」
そう言ってガルシュさんは去っていった。
僕はガルシュさんが見えなくなるまで頭を下ていた。
その後、僕はまず最初にギルドへ向かった。
「リリーさん。こんにちは 先程売った素材の代金を受け取りに来ました」
「レイさんですね。代金はこちらになります」
そう言って銀貨50枚を渡された。
「…… こんなに貰っていいんですか?」
僕は思っていた以上の金額に驚きを隠せない。
「はい レイさんが売ってくれた素材はどれも高品質なので高く買い取りました。手数料と登録料は既に差し引いてあります」
「そうだったんですね」
『死体を収納しておいたおかげで劣化が少なかったのだな』
「あと、レイさん。これはギルドカードです。無くすと再発行に金貨一枚かかりますのでくれぐれも無くさないようにしてください」
僕はギルドカードをみる
「……⁉︎ ランクFじゃなくてEなんですけど」
「ランクEへは討伐クエストを一つクリアする必要があります。レイさんの場合は既にモンスターを複数体討伐しているのでランクEからのスタートとなります」
「そうだったんですね」
「これからの活躍に期待してます」
「ありがとうございます」
そして ギルドを出て、僕は鍛冶屋に向かった。
しばらくして、鍛冶屋に到着した。
鍛冶屋に入ると、この前の少女が出迎えてくれた。
「こんにちは レイです。品物を取りに来ました。
「レイさんですね。親分呼んできますね!」
しばらくして親分クーガさんが出て来た。
「おう坊主 目的のものは出来上がってるぜ」
そして、深紅しんくのロングソードに黒紅くろべに色のライトアーマーを机の上に置いた。
『おおっ…… 』
思わず見入みいってしまった。
「この剣はオーガの牙と魔石から出来ている。切れ味は一品で刃こぼれもしにくい。魔力MPを込めると一時的だが、切れ味が跳ね上がる」
「この鎧だが、動きやすく加工してある。特にこれといって目立つような効果はないが物理攻撃と魔法攻撃の両方に耐性がある」
「そんなに凄い防具を!? ありがとうございます!大切に使わせてもらいます!」
僕は喜びのあまり声が裏返ってしまった。。
「うい。次にプレゼントする予定のアクセサリーとクレイモアだな」
「このクレイモアは刀身にオーガ背骨を使っていてよほどのことが無い限り折れん。切れ味も段違いだ」
『流石さすがガルシュさんが紹介するだけはあるな……』
と驚きつつアクセサリーの説明を聞く。
「こっちのアクセサリー何だが、オーガの魔石の一部を組み込んである。物理と魔法攻撃耐性が上がるが、まぁ気休めみたいなもんだな」
「ウィリアも喜ぶと思います!」
「それは、良かった」
「けど、本当にタダでいいんでしょうか?」
「構わん。…… ガルシュあいつが紹介するなんて滅多に無いからな」
「今回は本当にありがとうございました!ガルシュさんにも今度、お礼を言っておきます!」
「死ぬなよ。坊主」
「はい 約束します。また来ます!」
店を出て、僕はウィリアとの待ち合わせ場所の広場へ向かう。
広場に着くと、ウィリアと領主様を見つけた。
僕は2人の元へ歩み寄った。
「こんにちは。待たせてしまいましたか?」
「こんにちはレイ君 私達も今着いたところだよ。」
「レイ!」
ウィリアは相変わらず元気な様子で僕に駆け寄ってきた。
「領主様 ウィリアが何か失礼な事とかしませんでしたか?」
「正直 僕も心配だったんだ。けど、問題なくこなせていたよ」
それを聞き僕は胸を撫なで下ろした。
「レイ君 このあと僕は予定があるんだ。ウィリア君と2人で王都を観光すると良いよ」
「そうですね。そうさせて貰います」
「やったー! レイとデートだッ!」
『デートでは無いんだけどなぁ』
けど、楽しそうならウィリアを見ると何も言えなかった。
それから、僕達は王都のスポットを見て回った。
「ねぇ!レイこのお店お店面白そうじゃない?」
僕の袖を引っぱりながら、その店へと向かう
どうやらここは雑貨屋さんらしい
「ねぇ!これ面白そうじゃ無い?」
そう言いながら、ウィリアが持ってきた商品を鑑定する
石灰→お絵描きなどに使える。目に入ると危険
閃光玉せんこうだま→眩まばゆい光を放ち、目を眩くらませる
火の魔石→魔力を込めると火がつく
光源ランタン→魔力を込めるとほんのり光る
「なかなか面白いね」
「でしょ!」
相変わらず ウィリアは楽しそうな様子である
「お婆ちゃん これ全部ください」
「はいよ。全部で銀貨30枚だね」
僕は銀貨を手渡す。
「毎度あり」
その後、僕達はガルシュさんに教えて貰った絶景スポットに向かうことにした。
「ここがガルシュさんに教えて貰った 街を一望いちぼうできる場所だよ」
「うわ〜! 王都を見渡せるわ!」
ウィリアはご満悦まんえつの様だ。
「喜んでくれて嬉しいよ」
「とっても素敵だわ!ありがとうレイ!」
『楽しそうだな』
楽しそうなウィリアを見て、思わず僕も笑顔になってしまう。
「実はウィリアにプレゼントがあるんだ」
「……? プレゼント?」
「これ何だけど……」
僕はウィリアにクレイモアとアクセサリーを手渡した。
「ーー」
ウィリアは俯うつむいたまま黙りこくっている。
「あ、もしかして きにいらなかった?」
僕は恐る恐る尋ねる
「違うの! 嬉しすぎて言葉にできなかったの」
ウィリアは泣きながらそう告げる
「喜んでくれて良かった…… 初めて2人で倒した魔物だから形に残したくて ガルシュさんの知り合いの鍛冶屋で作って貰ったんだ」
「ありがどゔ(ありがとう)だいぜづにずる(大切にする)」
「そんな泣かなくても……」
あまりにウィリアが泣くので、僕はどうしたらいいか分からなかった。
「ふぇぇ?」
無意識のうちにウィリアの頭を撫でていた。
「また 来ようね」
「ゔん(うん)」と元気よく頷き、僕の腕に抱きついた。
『柔らかい物が当たってる……』
僕は必死に理性を保った。
そして、ウィリアが泣き止むまで僕は頭を撫で続けるのであった。
その後、ウィリアは色々と準備があるそうなので別れた。僕はそのままギルドへ向かった。
ギルドに着き、僕はリリーさんの受付に並んだ。
「こんにちは リリーさん。簡単な討伐依頼と採取などの依頼を取り繕つくろって貰えますか?」
「かしこまりました。少しお待ちください」
そう言って、カウンターへと入って行った。
数分して、リリーさんが戻ってきた。
「いくつかこちらで取り繕ってみました。まず、ゴブリンの討伐、コボルトの討伐、薬草採取などがおすすめです」
「全部まとめて受けます」
「失敗した場合 違約金が発生しますが、大丈夫ですか?」
「はい」
「分かりました。手続きをしますのでお待ちください」
数分しないうちに手続きが完了した。
僕は依頼を達成すべく森へ向かうのであった。
ゴブリンやコボルトはすぐに見つかったので討伐はすぐに完了した。
薬草最初もなんなく終わらせた。
そして、依頼達成の報告をしにギルドへ向かった。
「リリーさん 受けていた依頼達成しました」
「!? 早いですね」
リリーさんは心底びっくりした様子だ。
「これが今回の報酬金です」
「ありがとうございます」
そう言いながら銀貨20枚を渡された。
「それと、レイさんは今回の依頼で基準を満たしましたのでDランクになります」
“Dランク” それは僕にとって大きな意味があった。
『ようやくダンジョンに潜れるぞ!』
喜びを噛み締めつつギルドを出た。
地獄が待っているとも知らずに
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