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さて、勉強の次はスポーツです。近々体育祭があるのでそれに向けて猛練習しました。ので、本番で彼女を振り向かせる準備はOKです。
さて、最初の種目は短距離走です。
追い込み走法で末脚を見せようと思いましたが、よくよく考えると自由に走法を選べる身分ではないと気付いたので、素直に走ります。結果は…
ビリとハナ差の5位でした。勿論彼女は一位。凄いです。そしてやはりこちらを見ません。当たり前です。一位がキモい5位を見て何が良いのでしょうか。
さて、続いては玉入れです。男は黙ってオーバースローという考え方は練習の時に捨てました。なので今回は下から投げます。二つほど入った様に見えました。
しかしやはり彼女はこちらを見ません。どうやらお友達とお喋り中の様です。何を話してるのか気にな…おっと、邪念は捨てましょう。
さて、お次はフォークダンスです。実はこの日のために練習してきました、ボックスステップを女の子達に手ほどきいたします。
しかし彼女と踊ることはついにありませんでした。彼女はどんどん隣のクラスに侵食されていき、ボックスステップではなく野蛮な45ザルステップを踊っていました。とても悲しいです。
さて、最後の競技は騎馬戦です。彼女には100人の親衛隊がいるのでまず一緒になることは無理です。しかし小型でパワフルなのが良かったのか人が余ったのか一学年下の女の子と組むことになりました。とりあえず意思の疎通を図っていきます。
「騎手さん、どうしますか?」
と聞くと彼女は、
「敵将の首を獲れぇ!!突撃ぃ!!」
『応!!!』
某無双ゲームに出てきそうな声で言ってもらって、気分はもう赤兎馬です。
最後まで生き残り、敵を三人ほど倒しました。
しかし彼女はこちらを見ません。当たり前です。五月蝿い集団は耳と目に優しくは無いです。
終わったあと、騎手さんが握手を求めてきたので応じました。ついでにメアドも教えてもらいました。今日は良い日です。
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