第2話

「どうして開かないの・・・」

少女は、何度も玄関の扉のノブを回すが、その扉は少しも動かなかった。最後には,力任せに扉を叩き続けるが結果は同じだった。


あまりにも非現実的な状況。



「キミは、どこにいますか?」と背後から声をかけられた。



少女は、反射的に振り向く。

すると、そこには、奇術師がいた。


奇術師。


そのように形容するしかない存在。

性別は、男。

年齢は、40才前後。

その他・・・奇術師的なる記号で構成。



「キミは、どこにいますか?」



奇術師は、同じ言葉を繰り返す。


「キミは、どこにいますか?」


また、奇術師は、同じ言葉を繰り返す。



「誰なの・・・あなたは?」



少女は、ようやく絞り出すようにして声を発することができた。

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