第47話 攻撃魔法は使えますん
ポーリン「だから言ったでしょ!」
メア「確かに、魔力はAランク級ね……。でも、魔力だけあっても冒険者は務まらないわ。ルーク、攻撃魔法は使える?」
ルーク「使えますん!」
メア「どっちやねん!」
ルーク「いや、使えるような、使えないような……?」
メア「どういう事?」
ポーリン「ルークが得意な魔法は【クリーン】よ」
ルーク「うん、他の魔法は、生活魔法程度?」
メア「クリーンも生活魔法でしょ! 攻撃魔法は使えないの? 支援魔法は?
ルーク「んー、薪に火をつけるくらいなら」
メア「そう、じゃぁ魔法で戦うのは無理そうね」
ポーリン「そうじゃなくて。ルークは魔物を【クリーン】で倒してしまうのよ!」
メア「は?! チョト何言ってるのかワカラナイんだけど、もういいわ。ルークはまだ冒険者についての常識がないのは仕方ない、その辺はこれからじっくり
ポーリン「ちょっと! ルークがGランクとかありえないから。ルークは狩りをしながら森の中で生活してたのよ? ちゃんと話を聞きなさいよ」
メア「そ、そうね、魔法がダメでも剣術の腕があれば……次は実技試験よ。試験官と模擬戦をやってもらうわ。ただ、今日は試験官ができるような冒険者がみんな出払ってて居ないのよねぇ……」
ポーリン「私がやるわよ」
メア「ダメよ、あなたじゃ手を抜きそうじゃない」
『俺がやろう』
その時、カウンターの奥の部屋から出てきた男が言った。
メア「マスター! マスターがわざわざ?」
マスター「ちらっと聞こえていたぞ、ポーリンより強いとかなんとか。ちょっと試してやろう。
たしかルークだったな? お前がバーに卸してる干し肉は絶品だ、俺も大好物なんだ。よろしくな」
筋骨逞しい禿頭の男、ラハールの冒険者ギルドのマスターはキリングと名乗り、ルークに握手を求めた。
キリング「ほう、どうやら素人ではないようだな」
メア「?」
キリング「握れば分かるさ、手のタコは、限りなく繰り返し剣を振ってきた証だからな」
* * * * *
冒険者ギルドの裏にある訓練場。そこでキリングとルークが対峙する。
メア「では、これより模擬戦を行います」
木剣を構える二人。
キリングは元Aランクの実力者である。引退したとは言え、鍛錬は続けており、並の冒険者では勝てない実力者である。ポーリンも、戦ったら負ける気はないが、それなりに苦戦する覚悟は必要な相手であった。
キリング「安心しろ、手加減はしてやる」
ルーク「お手柔らかにお願いします。ただ、気を抜き過ぎて、怪我をしないようにしてくださいね」
キリング「何ぃ?! 俺に怪我をさせられると言うか? 面白い! その鼻をへし折ってやろう!」
メア「始め!」
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