ホラーな五七五
山本清流
はしゃぐ目が 振り向きざまに 睨むかな
何人かの友達とはしゃいでいる女子。僕は、その女子が無理をしているのを見抜いている。本当ははしゃぎたくないのだが、周りに合わせるために、仕方なくはしゃぐことにしている。僕は、はしゃぐのが嫌いだから、はしゃがないが、そのせいで友達はいない。その女子は、大笑いを教室に響かせたあと、不意に、僕に目を向けた。ほんの一瞬だけ。一瞬なのに、十分なくらいに憎しみを込めて、僕を睨んだ。わたしはこれだけはしゃいでいるのに、どうして、あなたははしゃがないのか。ちょっとくらいは空気を読めよ。そういう内心が、伝わってきた。
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