微笑みとは、美しさ

「……Finish」


僕がもうすでに型抜きも心も折れてしまって、このピンク色どうやって出すのかなぁとか思っていたら、ありすさんが小さく呟いた。


めっちゃ集中してやってたから、期待ができる。


「どれどれ…………ってうまっ!!」


置かれた型抜きを見るが、完璧に抜かれていた。

割れてる割れてないの次元じゃなく、元の絵から寸分違わずにきれいに切り抜かれている。


やばいな、すっごい。

僕もその能力ほしいよ。


「おぉ嬢ちゃんうまいな。ほら、100円。」


後ろからやってきたおじさんがそれを覗き込んで、言う。


「…………。」


無言でおじさんが投げた100円玉を受け取ったありすさん。

じっと100円玉を見てるけど、これは達成感ってことかな?


「ありがとうなおっちゃん。」


僕は立ち上がっておじさんに礼を言う。


「おうよ!嬢ちゃん守ってやれよ!!」


サムズ・アップしておじさんは仕事に戻っていった。

僕らはそれを見送りながら、屋台の外に出る。


外は夕日も沈んで暗くなってきていたが、たくさんの屋台の明かりでこの辺一体は明るいままだった。


「いやぁありすさんすごかったなぁ。」


僕はさっきよりも更にました人の数に、少し強めに彼女の手を握る

僕は開始早々に一番かんたんなところでつまずいてしまったから、憧れる。


「………違う。」


ぎゅっと僕の手を握り返してありすさんが呟いた。


「え?」


僕は急に立ち止まった彼女に驚きながら聞き返す。

ありすさんは下を向いていた。


「ありすさんじゃない、私、ありす。」


覚悟を決めたように上げた彼女の顔は赤く染まっていた。

Coll me Aliceありすって呼んでと僕を見上げるありすは、背景のやたいの灯りと合わさってまるで外界に降り立った天使のようだった。


…………ヤバい、めっちゃかわいい。


「……OK!ありすね!」


僕は高鳴る胸を抑えながら、彼女に笑いかける。


「……うん。」


そう小さく囁いた彼女は、不器用ながらに…………










…………笑っていた。

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