ぼくらの七日間戦争

ファイヤースティックのリモコンを手に取る。十時キーであれこれと目ぼしいものはないかと探す。リストには10本近くの映画があるが、今はどれも見る気分ではないようだ。ふと懐かしいタイトルが目に留まった。しかし、その画像には違和感があった。以前見たのは実写でこれは俗に言うアニメだ。88年の映画をそのままアニメ化したのか。そんな期待を半分ほど抱いて再生ボタンを押す。このところやや残虐なシーンが多かったので、一休みするにはちょうどいいと、ベッド横にクッションを置き身体を預ける。映像が流れ始めた途端、ホッとため息をついた。と同時に改めて日本のアニメのレベルの高さを垣間見た気がした。丁寧に描かれた風景は、実際に見るのとは違う美しさがあって、念入りに時間を掛けたことが一瞬で消えて行く映像から感じ取れる。物語は過去を踏襲してるようで近代の新しさも盛り込まれていて、さすがに2019年とその通信機器を眺めた。映像ありきで難解な作品でなかったのが救いだったと、電源を切った。(2019年、日本)

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