19・もうけさせてやろう

 お巡りさん様の天下りというのはたちが悪い。

 お巡りさん様の天下りなんて、役立たずの代名詞で、しかもそれは退職お巡りさん様を気遣った言い方で、身も蓋もないことを言えば、人の足を引っ張っている。

 現役時代もハッキリ言ってしまえば、社会の足を引っ張ることくらいしかしていない。

 捜査と称して会社でもどこでもずかずか入り込んで荒らし回るし、大切な商談の所に押しかけてきて犯罪者呼ばわりして、商談を台無しにしたり。

 そんなことしかしてこなかった人間なんだから、まっとうな会社で役に立つわけがない。

 しかし本人はそんなこと微塵も思っていない。



 お巡りさん様は言いました。

「もうけさせてやろう」



 一応犯罪の取り締まりを仕事にしていた人間が、それ以外のことで何が出来るというのか。

 ハッキリ言って何も出来ない。

 入れても働いている人のちょっかいをかけているだけで、やっぱり足を引っ張っている。

 でも本人はそれが会社の利益になると思っている。



 お巡りさん様は言いました。

「こうして、成功者の姿を見せることで、みんな奮起するんだよ。私のような人間に続けと、バリバリ働くのだ。分かったかね、チミィ」

 典型的な老害だった。



 経営者はこんな人間クビにしたいと思っている。

 出来れば採用自体したくないとも思っている。

 しかし採用して、雇用するしかない。

 なぜなら、不採用にしたりクビにしたりすれば、カルロス・ゴーン氏のようなことになるから。

 検察とかが、やいのやいのと突っついてきて、刑務所に入れる。

 だから、しかたなく雇用している。



 しかし、お巡りさん様は、自分がいるから会社が成り立っているのだと、思い上がっている。

 ただの迷惑な老害でしかないのに。



 こうしてお巡りさん様の天下りは、あらゆる会社のお荷物となり、日本経済を衰退させていく。



 そんな感じ。

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