第1章第047話 執事と貴婦人
第1章第047話 執事と貴婦人
・Side:モーラ・キック
プリン、美味しかったなぁ…
レイコお姉ちゃんが作ってくれた、レイコお姉ちゃんと赤竜神様の故郷の味。まさに神様のお菓子。
まだ足りない材料があるから完全じゃないってレイコお姉ちゃんは言っていたけど。作り方は、手伝いながらメモしていたので、バッチリ。あんな簡単に作れるのに、あの美味しさ!。
どうしてももう一度食べたい! ってことで、材料のおさらい!
卵は一つ四十ダカムで、これでプリン十五個分くらい作れる。
これに必要な牛乳は、エール三杯分くらい。これは十ダカムしないくらい。お乳が出ないお母さんとか、お母さんがいな第1章第047話 執事と貴婦人
・Side:モーラ・キック
プリン、美味しかったなぁ…
レイコお姉ちゃんが作ってくれた、レイコお姉ちゃんと赤竜神様の故郷の味。まさに神様のお菓子。
まだ足りない材料があるから完全じゃないってレイコお姉ちゃんは言っていたけど。それでもすごく美味しい!。
作り方は、手伝いながらメモしていたので、バッチリ。あんな簡単に作れるのに、あの美味しさ!。
どうしてももう一度食べたい! ってことで、材料のおさらい!
卵は一つ四十ダカムで、これでプリン十五個分くらい作れる。
これに必要な牛乳は、エール三杯分くらい。これは十ダカムしないくらい。お乳が出ないお母さんとか、お母さんがいない赤ちゃんのために、市場には乳の出る牛がいつも数頭は連れられて来ている。これも問題なし。でも、赤ちゃんの分を取らないように気をつけないといけないな。
砂糖は、カップ一杯分くらい。これだけで最低でも三百ダカムくらいだけど、砂糖は前回余った分をもらっている。
プリン十五個で…えーと、原価が一個あたり二十三ダカムとちょっと。あ、"カラメル"とかいうソースが本当は必要だって、レイコお姉ちゃんが言っていたな。砂糖を焦がすって言っていたけど、絶対に必要だとか。ちょっと勿体ない気もする。
おばあちゃんが、売値は最低でも原価の倍って言っていたのを思い出した。切りが良くて五十か六十ダカムくらいかな。あの小さいカップ一つの菓子が、うちのランチの五食分以上か。
卵は中央市場に行かないと売っていないけど、香辛料とかを買うのにお父さんがたまに行っている。お小遣いも溜めているので、私でも卵は買える。今度お父さんに連れてって貰おう。その日がプリンの日だ!
お父さんのところに、ランドゥーク商会から遣いの人が来ていた。明後日、もっぺん先日の料理を用意して欲しいとのこと。
なんか、偉い人が是非食べてみたいんだとか。 貴族街で作らなくいても良いのかな?
プリンも作るの?お父さん?! みんなの分もあるから心配するなと言われた。やったね!
卵と牛乳は、商会の方で最高級の物を用意するって。砂糖も追加で用意してくれるとか。そこ大事です。
魚は、その日に上がった新鮮なものを仕入れてこないとね。
当日の昼、ランチの賑わいが掃けてから、店先に貸し切りの案内を出して、料理開始です。
貴族街から派遣されてきたという料理人も、三人ほど厨房に混ざってます。
レイコお姉ちゃんが、どっかからスケスケの布を買ってきた。それを使って卵の黄身を"濾す"んだそうだ。これをするとさらに美味しいとか。
お父さんの助手のコラン君は、ヒーヒー言いながらマヨネーズを作ってます。
レイコお姉ちゃんが、鍋で砂糖を溶かした水を煮詰めています。しばらくすると、黒くなってきた。焦げていない?と心配したら、これで大丈夫なんだそうだ。
このカラメルってやつをカップの底に少し入れて、そこにプリンの素を流し込み、水を張った鍋にセット。火加減が強くなりすぎないように、マナコンロの位置を調節する。
張ったお湯が軽く沸騰して十分ほど待って串を刺して中まで固まっていることを確認したら、コンロを外してさらに十分。これで完成。汲んだばかりの水にカップをつけて冷やします。途中、水を替えなきゃ。出来るだけ冷やしたいからね。
他の料理の下ごしらえも終わった。"フライ"は、出す直前に揚げるんだそうだ。揚げると言う言葉はあまり聞き慣れないけど、貴族街の料理にはある調理法だそうです。油は、高いからね。
店の前に、ランドゥーク商会の馬車が止ります。貴族街から派遣されてきた人たちに急かされて、私たちも入り口の処に整列します。
すぐに足場が置かれて、中からは、一人の貴婦人が姿を見せる。
歳はおばあちゃんより若いくらいに見えるけど。何だろう、これが高貴という雰囲気かな。
御者をしていた、これまた同じくらいの老紳士が、その夫人の手を取る。
「ありがとう、セーバス」
そういわれた老紳士が、貴婦人に軽く会釈する。
なんか凄い人たちがうちにやってきた。
中から次に降りてきたのは、お父さんくらいの歳の人?
ブライン様だって、一緒に並んでいたタロウさんが教えてくれる。ブライン様ってアイズン伯爵家の? なんでうちなんかに?
最後に降りてきたのは、タロウさんのおじいさんであるランドゥーク商会のジャックさん。いつもは豁然としているんだけど、心なしか緊張して疲れているように見える。
タロウさんのところに歩いてきて、タロウさんを先に降りた人たちに紹介している。タロウさん、ペコペコしてます。
そして、今度はレイコお姉ちゃんが紹介される。カテーシーだっけ?貴婦人がレイコお姉ちゃんに挨拶している。ブライン様も会釈している。レイコお姉ちゃんは慌てている。だって、今は、ウェイトレスのエプロン姿だし。
偉い人が来ると言うことで、普段のテーブルなどは一旦どかされて、テーブルや椅子もランドゥーク商会から持ち込まれている。
なんだかんだと固辞しているレイコお姉ちゃんも、一緒の席に着くようだ。
私も小さい食堂とは言え給仕をやってるので、その偉さで座る順番くらいは知っている。レイコお姉ちゃんが一番偉い席に押し込められてます。いいのかな?
「お嬢さん。申し訳ないのですが、給仕は私にまかせていただけないでしょうか?」
セーバスと呼ばれた人が、私に配膳を変わってくれと言ってきた。はいはい喜んで。私には、あそこに行く勇気は無いです。
貴族街から派遣されてきた人たちと話をしたあと、セーバスさんは料理の味見をしている。
タルタルソースを少し食べて、ちょっとびっくりした顔をしている。美味しいでしょ?それ。
い赤ちゃんのために、市場には乳の出る牛がいつも数頭は連れられて来ている。これも問題なし。でも、赤ちゃんの分を取らないように気をつけないといけないな。
砂糖は、カップ一杯分くらい。これだけで最低でも三百ダカムくらいだけど、砂糖は前回余った分をもらっている。
プリン十五個で…えーと、原価が一個あたり二十三ダカムとちょっと。あ、"カラメル"とかいうソースが本当は必要だって、レイコお姉ちゃんが言っていたな。砂糖を焦がすって言っていたけど、絶対に必要だとか。ちょっと勿体ない気もする。
おばあちゃんが、最低でも売値は原価の倍って言っていたのを思い出した。切りが良くて五十か六十ダカムくらいかな。あの小さいカップ一つの菓子が、うちのランチの五食分以上か。
卵は中央市場に行かないと売っていないとげ、香辛料とかを買うのにお父さんがたまに行っている。お小遣いも溜めているので、私でも卵は買える。今度お父さんに連れてって貰おう。その日がプリンの日だ!
お父さんのところに、ランドゥーク商会から遣いの人が来ていた。明後日、もっぺん先日の料理を用意して欲しいとのこと。
なんか、偉い人が是非食べてみたいんだとか。 貴族街で作らなくいても良いのかな?
プリンも作るの?お父さん?! みんなの分もあるから心配するなと言われた。やったね!
卵と牛乳は、商会の方で最高級の物を用意するって。砂糖も追加で用意してくれるとか。そこ大事です。
魚は、その日に上がった新鮮なものを仕入れてこないとね。
当日の昼、ランチの賑わいが掃けてから、店先に貸し切りの案内を出して、料理開始です。
貴族街から派遣されてきたという料理人も、三人ほど厨房に混ざってます。
レイコお姉ちゃんが、どっかからスケスケの布を買ってきた。それを使って卵の黄身を"濾す"んだそうだ。これをするとさらに美味しいとか。
お父さんの助手のコラン君は、ヒーヒー言いながらマヨネーズを作ってます。
レイコお姉ちゃんが、鍋で砂糖を溶かした水を煮詰めています。しばらくすると、黒くなってきた。焦げていない?と心配したら、これで大丈夫なんだそうだ。
このカラメルってやつをカップの底に少し入れて、そこにプリンの素を流し込み、水を張った鍋にセット。火加減が強くなりすぎないように、マナコンロの位置を調節する。
張ったお湯が軽く沸騰して十分ほど待って串を刺して中まで固まっていることを確認したら、コンロを外してさらに十分。これで完成。汲んだばかりの水にカップをつけて冷やします。途中、水を替えなきゃ。出来るだけ冷やしたいからね。
他の料理の下ごしらえも終わった。"フライ"は、出す直前に揚げるんだそうだ。揚げると言う言葉はあまり聞き慣れないけど、貴族街の料理にはある調理法だそうです。油は、高いからね。
店の前に、ランドゥーク商会の馬車が止ります。貴族街から派遣されてきた人たちに急かされて、私たちも入り口の処に整列します。
すぐに足場が置かれて、中からは、一人の貴婦人が姿を見せる。
歳はおばあちゃんより若いくらいに見えるけど。何だろう、これが高貴という雰囲気かな。
御者をしていた、これまた同じくらいの老紳士が、その夫人の手を取る。
「ありがとう、セーバス」
そういわれた老紳士が、貴婦人に軽く会釈する。
なんか凄い人たちがうちにやってきた。
中から次に降りてきたのは、お父さんくらいの歳の人?
ブライン様だって、一緒に並んでいたタロウさんが教えてくれる。ブライン様ってアイズン伯爵家の? なんでうちなんかに?
最後に降りてきたのは、タロウさんのおじいさんであるランドゥーク商会のジャックさん。いつもは豁然としているんだけど、心なしか緊張して疲れているように見える。
タロウさんのところに歩いてきて、タロウさんを先に降りた人たちに紹介している。タロウさん、ペコペコしてます。
そして、今度はレイコお姉ちゃんが紹介される。カテーシーだっけ?貴婦人がレイコお姉ちゃんに挨拶している。ブライン様も会釈している。レイコお姉ちゃんは慌てている。だって、今は、ウェイトレスのエプロン姿だし。
偉い人が来ると言うことで、普段のテーブルなどは一旦どかされて、テーブルや椅子もランドゥーク商会から持ち込まれている。
なんだかんだと固辞しているレイコお姉ちゃんも、一緒の席に着くようだ。
私も小さい食堂とは言え給仕をやってるので、その偉さで座る順番くらいは知っている。レイコお姉ちゃんが一番偉い席に押し込められてます。いいのかな?
「お嬢さん。申し訳ないのですが、給仕は私にまかせていただけないでしょうか?」
セーバスと呼ばれた人が、私に配膳を変わってくれと言ってきた。はいはい喜んで。私には、あそこに行く勇気は無いです。
貴族街から派遣されてきた人たちと話をしたあと、セーバスさんは料理の味見をしている。
タルタルソースを少し食べて、ちょっとびっくりした顔をしている。美味しいでしょ?それ。
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