第41話 海賊王、勝手に100巻記念
慧仁親王 堺 1522年
波多野元清・香西元盛・柳本賢治、波多野3兄弟。前世から仲良し兄弟の話は大好きで、この兄弟も何故か惹かれる3兄弟だ。兄弟3人力を合わせれば何とかなるかなと、この3兄弟を呼びつけた。
「遠い所をご苦労。来てくれて感謝している」
「感謝なんて勿体のう御座います。天皇家の御為でしたら、何処へでも駆け付けます」
「うぬ、その言葉、嬉しく思うぞ。実はこの度、この堺の南側の水田地帯の収穫を増やす計画が有る。その責任者を3人でやって貰いたいと思いここへ呼んだ。どうだ、やってはくれぬか?」
「我ら兄弟、戦働きは多少なりとも自信は御座いますが、農業の知識などは持ち合わせて御座いません。それでも宜しいので?」
「戦の勝敗は、準備で7割方決まると言うでは無いか。それが農業に通じると思っている。まあ、物は試しだ。1年目の成否は問わない。勝負は2年目だ。1年目を如何に過ごすかが重要だ。3人寄れば何とかと申すではないか。其方に頼みたい」
「そこまで言って頂けるのであれば、我らでお引き受け申します」
「うぬ、頼んだぞ。近いうちに、貧乏公家が20人くらい堺にやって来る。農業指導員の育成だ。その責任者が其方になる。励んでくれ」
「はっ、畏まりました」
〜・〜
「行雅、代筆を頼む」
「はっ」
書いて貰った書状の手配をして一休み。
「と言う訳で、行雅、宮島へ10日後出発だ」
「はっ、御意に」
〜・〜
「うわ〜、よく寝た!」
宮島に向かう船上での目覚めになった。最初の目的地はもちろん能島だ。皆んな大好き村上水軍の本拠地の1つだ。姉様との共通見解の1つに、海賊もしくは水軍と忍者衆を合わせた海兵隊って最強じゃねぇ?が有る。不可能な任務が無さそうで、死角無しって感じで。その為にもの村上水軍を臣下に加えたいと。
「あれ?何か船に囲まれて無い?」
札浦に連れて行かれた。
「この船は慧仁親王殿下の乗る船と知っての狼藉か?村上隆勝に会いに来たと伝えて欲しい」
しばらく待つと、使いの舟が一艘向かって来る。舟を横に着けて乗り込んで来た。
「私が村上隆勝に御座います。大内様より話は伺っております。大変御無礼を致しました」
「良い良い。俺が慧仁だ。宮島まで案内を頼む。その間、少し話しをさせて貰う」
「畏まりました。お前ら、先導致せ!」
村上の船を先導に、島々を縫う様に船が走る。
「潮の加減か?見事な物だ」
「有り難きお言葉。皆の者も喜びます」
「最近、明から来る船や、南蛮から来る船は見かけるか?」
「九州近くで見かけると噂を聞きます」
「うぬ、そうか。隆勝は今後どうなりたい?村上の行く末だ」
「私達は海で生まれて、海で育った男達です。自由で居たいと思っております」
「そうか、海賊王になりたいのか?」
「ハハハハハ、如何にも、その通りです」
「しかし、幾ら自由で有っても、心休まる港は必要ではないか?俺に臣従すれば、安芸一国を任せても良いと思っているのだが」
「安芸一国ですか、務まりますかね?」
「それはお主次第だ」
「そりゃそうですね」
「この日の本を平定する。その後に待っているのは、南蛮や民との争いだ。制海権と言ってな、どれだけ海を制するかが重要だ。その為には日の本の水軍を如何に纏めるかが問題になって来る。どうだ隆勝、日の本の水軍を一つに纏めては貰えぬか?」
「某がですか?」
「そうだ、お主なら出来る。どうだ?海賊王だ。ハハハハハ」
「とても魅力的なお話ですね。考えさせて下さい」
「ダメだ。いや、そうだな、宮島に着くまでに答えを聞かせて欲しい」
「せっかちですね」
「そうか?答えは一つだと思うぞ。まあ良い、ひとまず朝餉を食べて来る」
「はっ、ごゆっくりどうぞ」
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