一番の友達
本を読む時、テレビを見る時、夜花は傍に黒猫のぬいぐるみを置いていた。つい先日、五歳の誕生日にと、祖母が贈ってくれたものだ。
小さな夜花の身体では、両手で抱えるのがやっとなほどに、その黒猫はとても大きく、見た目の可愛らしさはもちろん、肌触りも良く弾力性もあり、その上大好きな祖母から贈られたとあって、抱き締めたその瞬間から、黒猫は夜花の一番のお気に入りになった。
家の外には絶対に出さない。
母との約束を夜花は守る。前のお気に入りをこっそり外に持ち出して、修復不可能なまでに壊されたことがあるから。祖母の家にだって見せに行かない。
家で大人しくする時に、一人が淋しい時に、黒猫の柔らかな温もりにすがるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます