第48話 花子様ご来店


アクセサリー売り場に

三人の若そうな女性のお客様が来店し、

「これ、かわいいねー」などと話をしながら、

ピアスなどを見ていました。


一人があたりをキョロキョロ見渡し、

ピアスを右手に握りました。


そのまま二人と話をしていましたが、

右手を開きません。

その様子をたまたま目撃した私は、売り場の人に


「花子さん来店しました。店長おねがいします」と告げ、目を離しませんでした。


ちなみにさんとは、お会計をせずに帰ろうとするお客様対象の隠語です。


アカウアカリ店長は面倒くさそうにふら~と歩いてきて、

猫野ねこのちゃ~ん本当に見たの~間違いだったら俺大変なのよ~定年近いんだからさ~」とにやけながら言われました。


 

私は少しイラっとしながら、

「まだ右手にもっていますが店長の判断にお任せします」と言いました。


その間に、お店を出ようとしたお客様をアカウアカリ店長は慌てて追いかけて声を掛けました。


そのお客様は・・・しかるべき罰を受けることになりました。


犯罪度100%  

必ず誰かが見ています。


 


 

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