あー、死にてー

 あー、もう、あたし死ぬわ。


 なんか、何もかもめんどくさくなった。


 成績上がんねぇし、


 なーんか知らんけど、あいつらシカトするし。


 ……死にかたって、なにあんの?


 飛び降り〜

 グロッ


 首吊り〜

 くるしそっ


 電車飛び込み〜

 ……だけは、マジ迷惑だから、みんな、やめなよ!



 しゃーなしー


 この辺にある薬、てきとーに飲んじゃえ!


 運が良ければ死ねる〜


 運が悪けりゃこのまま〜


 

 ま、そんなのも面白れーか。




 ……死なねーな?



 ……それから数年経った。


 私は小さな事務所の事務員をしている。


 家庭的な温かい職場だ。


 そこで、私はとても素敵な男性と出合った。

 

『運命の赤い糸』の伝説を、初めて信じた。


 結婚式当日、私は目眩めまいをおこして、倒れ込んだ……。


*********


 ここは東京都監察医務院。


 そこに、若い女性の遺体が運び込まれた。


 女性は純白のウエディングドレスを身に纏っていた。


 ……行政解剖をするが、死因が特定出来ない。


 遺族に話を聴くと、何年か前に、自暴自棄になった女性が、種類は不明だが、相当量の薬を、手当たり次第に飲みあさった事があったそうだ……。

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