前章: 苺の季節に君を想う 藤野ひま様作

【あらすじ引用】

巡る季節、春、赤い苺、君と私。お嬢様と俺、いつもの、変わらぬ日々。柔らかな光と、そして……。

夕闇が訪れる。


【良いところ三点】

*1それぞれの想いの詰まった作品。

読了させていただきました。それそれの気持ちが曖昧だけれど分かりやすく描かれている。

はじめの主人公は、高校生の彼がどんな人物なのかを観察しており、次の章では彼の本音が明かされていく。タイトル通り”想う”であり、その先は読者の想像に委ねられる。いろんな想像を巡らせてしまう物語でもある。


*2面白い人間関係。

この物語に出てくる主な人物は三人。

最初の主人公は、高校生彼に対しとても良い印象を持っている。

そして認めることはないが、想いを寄せているように感じた。

この主人公に対して、彼が何らかの印象を述べるのかと思いきや、彼の心は別のところへ向かっている。

ここに出てくるお嬢様は、身分はあるものの平凡な人物。ただ、自分の身分を利用し人に甘えているだけの印象を受ける。視点は二つのみなので、このお嬢様が何を考えているのかはわからないが、人を惑わせていることは事実なのであろう。


*3登場人物のそれぞれの魅力。

恋の実るような物語ではないが、人の心についてスポットをあてているのでとても面白い。

言葉にしなくても分かる気持ちもあるし、残念な気持ちになる部分もある。最後までどうなるのか冷や冷やしてしまう物語でもある。特にこの物語では高校生の彼について魅力が伝わってくる物語だと感じた。

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