★★★これまでのあらすじ★★★注意!ネタバレ全開です
ご無沙汰しております!志々尾美里です!
3か月という長丁場のお休みも、残す所あと一週間となりました。再開に向けて準備を進めておりますが、その前に先行してこれまでのお話をざっくりと、でもネタバレ全開でまとめました。ぶっちゃけここだけ読めば、これまでのお話は読まなくてもお話についてこれるようになってるはずです。
「空きすぎて覚えてねーよ!」
「構成下手過ぎて話わかんねーよ!」
みたいな方、或いはこれからこのお話を読んでみようとは思ってるけどちょっと量が多くて困る、みたいな方向けのネタバレ全開あらすじです。良かったら来週からの再開の前に、確認がてらご覧くださいませ!
★★★
【はじまり】
21世紀最初の東京五輪において、日本は金メダルの獲得枚数でアメリカを抜く快挙を成し遂げた。それを契機に、国内ではスポーツへの関心と選手育成の風潮が強まり、政府主導でスポーツ研究が推進され始めた。遂には助成金をまかなうという建前のもと、スポーツを対象とした公営ギャンブルが解禁される。そんな日本の動きに呼応するように、諸外国でも同じような動きが見られはじめ、世界中でスポーツ・バブルが巻き起こり始めた。
主人公、
時は流れ、春菜は16歳でプロテニス選手としてデビューする。本格的に海外での選手活動を開始すべく、日本を離れようとしていた春菜。そんな彼女の前に聖が姿を現し「今度こそ、春菜のペアに相応しい選手になる」そう宣言した。
聖がテニスから離れてしまった理由は、春菜の実力に自分が釣り合わなかったということの他に、もう一つあった。春菜にさえ言えなかった、本当の理由。誰もいないテニスコートで拾ったラケットを手にすると、そのラケットは喋り出し、聖にこう言った。
――テニスが上手くなりてェか? なら、力を貸してやるよ
声に導かれるままサーブを打つと、とても自分のものとは思えない強烈なサーブを聖は打ち放った。そして直後、筆舌に尽くし難い苦痛が聖を襲い、聖の記憶は、一旦そこで途切れる。自身の身に何が起きたのか、聖ははっきりと思い出すことができなかった。しかし、恐ろしい目に遭った、という事だけは強く記憶していた聖は、恐ろしさのあまりテニスそのものから逃げ出した。
【アカシックレコードと、未来の可能性の撹拌】
聖の記憶は曖昧だったが、ラケットは聖の家の倉庫に仕舞い込まれ、時が流れる。しかし春菜が日本を離れることを知った聖は、春菜に追いつくため、勇気を奮い起こし、そのラケットの封印を解いた。テニスから離れていた自分が今から彼女に追いつくには、あの不思議なラケットの力を使うより他ないと考えたからだ。
<ようやくやる気になったンだろ? なら、さっさと始めようぜ>
記憶違いや夢であることを願う聖だったが、それに反してあっさりとラケットは喋りだした。そして喋るラケットは、自らを
「真偽を確かめる手段を僕は持ってない。でも、重要なのはそこじゃない」
斯くして聖はアドの要求を飲み、
【プロ選手への道と、ATC】
プロを目指す為に聖がまず目指したのは、春菜も一時期在籍していた日本有数のテニスアカデミー『
待ち構えていたのは、現役日本ナンバーワンの
【ATCでの日々と、能力への葛藤】
無事ATCへの入会を果たした聖は、彼をライバル視する同い年の
【スポーツバブルの影で蠢く組織 その①
日本がスポーツ分野で飛躍的な急成長を遂げた背景には、戦後から密かに続くスポーツ科学研究組織
【不気味な青年、
九月末に予定されている国際ジュニア男女混合団体戦へ向け、聖は元プロテニスプレイヤー
「あいつの母親もプロ選手でさ。ドーピング違反で追放されて、行方不明らしいよ」
誰ともコミュニケーションを取ろうとしない、ひどく厭世的な雰囲気の弖虎。合宿最終日、聖は弖虎との練習試合に臨み、そこで彼の圧倒的な、しかし異常とも思えるプレースメントを目の当たりにする。聖が能力の使用に踏み切ったことで、試合は辛うじて聖の優勢で進行するも、決着がつく前に弖虎は意識を失う。テニスをしただけにも関わらず、後味の悪い終わりを迎えることとなった。
【舞台はマイアミへ。イタリアの事情】
九月を迎えると、聖たちATCの代表メンバーはアメリカのフロリダ州マイアミで開催される『国際ジュニア男女混合団体戦』へと参加すべく渡米した。初めての海外に浮足立つ聖だったが、この大会はジュニアの試合でありながらも賭けの対象であることを知らされる。大会は予選リーグと決勝トーナメントで行われ、聖たちの日本チームはイタリアとの試合が決まった。
「イタリアか。あそこ、昔あった大規模な八百長事件をまだ引きずってるんだよね」
イタリアは十数年前、とある選手の八百長が発覚したのをきっかけに、ヨーロッパのみならず世界中のスポーツ界隈から批難が集中し、実質的な追放状態が長く続いていた。八百長事件の当事者で自殺した選手を叔父に持つ少女、ティッキー・フィン・ブロードは、失墜したイタリアの信頼を取り戻すべく、長い時間をかけて仲間を募り、今回の国際ジュニア団体戦の舞台へと上がってきた。イタリアを中心に起きた大規模な八百長事件は、表の社会のみならず、裏社会の勢力図にも多大な影響を与えていた。肥大してゆくスポーツ・バブルにあやかろうと縄張り争いをしていた各国の反社会組織は、事件を利用しイタリアンマフィアに痛烈な打撃を与え、彼らの縄張りを荒らしまわった。
ティッキーと同じイタリアのテニスアカデミーに所属していた青年、ジオ・ヴラン・ルーノは、イタリアンマフィアのボスの隠し子だった。彼はイタリアが今もなお受けている屈辱を晴らすべく、ティッキーに付き従うことを決め、イタリアテニス復権を阻もうとする裏社会からの妨害を牽制しつつ、自身もまたテニス選手として、表舞台と舞台裏両面からティッキーの右腕として活躍する。
【スポーツバブルの影で蠢く組織 その②
参加する選手たちがそれぞれの思いを胸に試合へと挑む裏側で、人知れず大きな組織が暗躍していた。大会のメインスポンサーである米国の巨大企業『
【遺伝子強化技術『ジェノ・アーキア』】
GAKSOとReal Blumによる研究の成果は、人間に移殖することでその遺伝子を強制的に書き換え、人智を越えた力を宿す新しい存在へと変異させるナノマシン『ジェノ・アーキア』がその最たるものだった。Real Blumの現場監察官メグ・アーヴィングは米国政府の指示の元、大会を利用してアーキアの実運用化を目指し、自国の選手を使い実験を行おうとしていた。一方、アーキアの研究開発における基礎理論を構築したGAKSOの
【スポーツバブルの影で蠢く組織 その③ ロシアンマフィア】
ロシアンマフィアは、イタリアの八百長事件を利用し、彼らをスケープゴートに仕立て上げることで、ヨーロッパ周辺でのスポーツバブルにおける裏の利権やギャンブルでの興行収入で甘い汁を吸っていた。彼らにとってイタリアは表の世界で常に悪役でいてもらう事が重要だった為、ティッキーを筆頭とするイタリアテニス復権の動きに対し、生かさず殺さずの牽制を長く続けていた。ロシアンマフィアの想定以上にティッキーたちの活躍が著しかったため、彼らは現地のチンピラを使い、日本と試合中のイタリア選手を観客席からレーザーで狙撃させる。しかしジオが護衛に用意していたイタリアマフィアのメンバーによってチンピラが捕らえられたことで、ロシアンマフィアは思わぬ情報を手にすることとなる。大会のセキュリティスタッフに引き渡されたチンピラは、警察に引き渡されることなく、大会本部の人間によって目を焼かれて棄てられたのだ。
「アメリカのやつが言った。我々と日本の邪魔をするな、と」
冷戦後からアメリカへの憎悪をずっと燻ぶらせていたロシアンマフィアは、チンピラが持ち帰った情報をヒントに、ある作戦を思い立つ。アメリカへの嫌がらせと、アメリカのスポーツ・バブルへ食い込むきっかけ作りの足がかりを得るべく、大会参加中の日本人をターゲットに誘拐を目論んだのだ。
【テニス選手誘拐事件、発生】
激戦をくぐり抜け、辛くも予選リーグを突破した日本チーム。しかし本戦トーナメント開始前の休息日、聖とミヤビは隙を突かれ誘拐されてしまう。2人を誘拐したのは、ロシアンマフィアから奴隷のような扱いを受けていた、スラム街に住まうイタリアの子供たちだった。ロシアンマフィアから言いように扱われていた彼らは、今回の日本人誘拐成功を条件に解放を約束され、やむなく犯行に及ぶ。事態はすぐにRBとATCの知るところとなり、アーヴィングと沙粧は対応に迫られる。犯行声明から、ロシアがどうやらアーキアについて既になんらかの情報を手にしているらしいことがわかると、沙粧はアーキアに関する情報開示を選択。アーヴィングは反対するも、誘拐のきっかけが彼女の対応にあったことを指摘され渋々ながらも合意。そこへイタリアチームの監督兼護衛役のリッゾが現れ、2人の奪還に協力すると申し出る。
【移送、救出、追撃に現れた白い影】
ロシアンマフィアの言いなりにならざるを得ない誘拐犯たちは、指示に従い聖とミヤビを指定の場所へと移送しようとする。そこをジオとリッゾの率いるイタリアンマフィアが襲撃し、2人はどうにか危機を脱した。聖はそこでイタリアが陥っている状況と、テニス界、ひいてはスポーツバブルの裏側に蠢いている大きな流れについて、初めて知ることとなる。救出に現れたジオは、聖とミヤビを誘拐した者たちがイタリア人であり、彼らをロシアンマフィアの手から解放させたいと胸の内を告白。誘拐したにも関わらず、一切自分たちに危害を加えてこなかった誘拐犯たちを信用したミヤビが了承し、一行はロシアンマフィアの元へと向かった。しかし、己の面子を守るためにアーヴィングの放った刺客が、容赦なく聖たちに襲いかかった。
【ジェノ・アーキアの
刺客を撃破し、無事に大会へ復帰した聖とミヤビ。仲間の活躍によって決勝進出を果たし、アメリカとの対戦を迎える。だがアメリカの選手たちは全員がジェノ・アーキアをその身体に宿しており、男子ダブルス、女子ダブルスは成す術もなく敗北。ミックスダブルスに挑んだミヤビと蓮司も苦戦を強いられるが、死力を尽くし獅子奮迅の活躍を見せ、さらにアメリカペアのアーキアに
【大会の終わり、帰国前の邂逅】
弖虎に勝利すべく、聖は能力の上限解放に至った。その代償によって帰国が遅れた聖のもとに、再びイタリアのジオが現れ、今後の聖の選手活動をサポートするのに相応しい人物の名刺を手渡した。
「プロの世界に行くつもりなら、ATCから離れろ」
ジオはそう言って、早々に立ち去る。聖は自分の付き添い役を買って出てくれた奏芽と共にその人物とコンタクトを取り、アスリートマネージャー、幾島と出会ったのだった。
★★★
以上、あらすじでした。
来週12月6日より再開予定となりますので、どうぞよろしくお願いします!あ、それと、もしちょっとでも面白いなーって思って下さったり、続き読んでやってもいいぞーって方は、評価とか、応援とか、あとできたら感想とか……頂けると凄い励みになるので、一言でも良いので、気が向いたらお願い致します。お休み頂いてすいませんでした!
来週をお楽しみに!
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